この問題では三角関数の最も重要な極限の一つを学習します。この極限は三角関数の微分公式の導出において基本となり、フーリエ解析や信号処理の理論的基盤として重要です。
幾何学的アプローチ
この極限の値は挟み撃ちの定理(サンドイッチ定理)を用いて厳密に証明できますが、まず幾何学的直感から理解しましょう。
1. 単位円での幾何学的解釈
単位円において、中心角 $x$ ラジアンに対して:
- 弧の長さ = $x$
- 弦の長さ = $2\sin(\frac{x}{2})$
- $x$ が小さいとき、弧と弦はほぼ等しくなる
2. 面積による挟み撃ち
$0 < x < \frac{\pi}{2}$ のとき、以下の不等式が成り立ちます:
$\cos x < \frac{\sin x}{x} < 1$
これは以下の面積関係から導かれます:
- △OAC の面積 $< $ 扇形 OAC の面積 $< $ △OAT の面積
- $\frac{1}{2}\cos x < \frac{1}{2}x < \frac{1}{2}\tan x$
3. 極限の計算
$x \to 0$ のとき $\cos x \to 1$ なので、挟み撃ちの定理により:
$\lim_{x \to 0} \frac{\sin x}{x} = 1$
4. 数値的確認
具体的な値で確認してみましょう:
- $x = 0.1$: $\frac{\sin(0.1)}{0.1} \approx \frac{0.0998}{0.1} = 0.998$
- $x = 0.01$: $\frac{\sin(0.01)}{0.01} \approx \frac{0.00999}{0.01} = 0.9999$
- $x = 0.001$: $\frac{\sin(0.001)}{0.001} \approx 0.999999$
$x \to 0$ のとき値が 1 に収束することが確認できます。
5. 他の派生極限
この結果から、以下の極限も導けます:
- $\lim_{x \to 0} \frac{1 - \cos x}{x^2} = \frac{1}{2}$
- $\lim_{x \to 0} \frac{\tan x}{x} = 1$