極限・漸近理論

中心極限定理、デルタ法、スルツキーの定理など統計検定準1級レベルの漸近理論を学習します。

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解説
解答と解説を表示

標本平均の分布の基本概念

正規分布から標本を抽出したときの標本平均の分布について考えます。母集団が正規分布に従う場合、標本平均も正規分布に従うという重要な性質があります。

正解について

選択肢A:標本平均X̄は正規分布N(50, 1)に従います。母集団N(50, 8²)から標本サイズn=64の標本を抽出すると、標本平均の分散は σ²/n = 64/64 = 1となります。

標本平均の分布の性質

母集団が正規分布N(μ, σ²)に従うとき、標本サイズnの標本平均X̄の分布は:

$$\bar{X} \sim N\left(\mu, \frac{\sigma^2}{n}\right)$$

本問題の場合:

  • 母平均:μ = 50
  • 母分散:σ² = 64(標準偏差σ = 8)
  • 標本サイズ:n = 64
  • 標本平均の分散:σ²/n = 64/64 = 1

他の選択肢について

  • 選択肢B:標準偏差8は間違いです。標本平均の標準偏差は σ/√n = 8/√64 = 1
  • 選択肢C:分散64は母集団の分散です。標本平均の分散は1/n倍になります
  • 選択肢D:正規分布から抽出した標本平均は一様分布にはなりません

重要なポイント

項目母集団標本平均
期待値μ = 50μ = 50
分散σ² = 64σ²/n = 1
標準偏差σ = 8σ/√n = 1

実用的な含意

統計検定準1級レベルでは、標本平均の分散が母集団の分散の1/n倍になることと、正規分布の再生性(正規分布の線形結合も正規分布)の理解が重要です。

問題 1/10