この問題は、確率過程の中核概念であるマルコフ性を正しく言語化できるかを確認するものです。準1級では、高度な確率微分方程式の解法そのものより、過程の性質を判定できることが重要です。
マルコフ性の定義(直感)
「未来は現在だけ見ればよい」という性質です。形式的には、現在時刻の状態が与えられると、将来時刻の条件付き分布は過去全体ではなく現在状態にのみ依存します。
$P(X_{t+h}\in A\mid \mathcal{F}_t)=P(X_{t+h}\in A\mid X_t)$
選択肢の判定
- 正解: 選択肢1。定義そのものを述べています。
- 選択肢2は「平均」だけで将来が決まるとする誤りです。
- 選択肢3は分散一定(弱定常性の一部)とマルコフ性を混同しています。
- 選択肢4も誤り。マルコフ性と独立増分は別概念です。
- 選択肢5は誤り。連続時間マルコフ過程は標準的に定義されます。
試験での見分け方
- 「将来が過去に依らない」ではなく、「現在を条件にすれば過去追加情報が不要」が本質です。
- 定常性・独立性・マルコフ性は別軸で整理する。
- ポアソン過程、ブラウン運動などは代表的なマルコフ過程です。