相関係数の性質について理解を深める問題です。
相関係数の定義
相関係数は共分散を各変数の標準偏差の積で割ったものです:
$r = \frac{\text{Cov}(X,Y)}{\sigma_X \sigma_Y}$
1. 元の状態
元の相関係数を$r_0$、共分散を$\text{Cov}_0$、標準偏差を$\sigma_{X0}$、$\sigma_{Y0}$とすると:
$r_0 = \frac{\text{Cov}_0}{\sigma_{X0} \sigma_{Y0}} = 0.6$
これより:
$\text{Cov}_0 = 0.6 \times \sigma_{X0} \times \sigma_{Y0}$
2. 標準偏差の変化
新しい標準偏差は:
- $\sigma_{X\text{new}} = 2\sigma_{X0}$(Xの標準偏差を2倍)
- $\sigma_{Y\text{new}} = 3\sigma_{Y0}$(Yの標準偏差を3倍)
3. 共分散への影響
性質: 変数に定数を掛けても、変数間の線形関係は変わりません。
Xを2倍、Yを3倍にした場合:
$\text{Cov}(2X, 3Y) = 2 \times 3 \times \text{Cov}(X, Y) = 6 \times \text{Cov}_0$
4. 新しい相関係数の計算
\begin{align}r_{\text{new}} &= \frac{\text{Cov}(2X, 3Y)}{\sigma_{X\text{new}} \sigma_{Y\text{new}}} \\&= \frac{6 \times \text{Cov}_0}{2\sigma_{X0} \times 3\sigma_{Y0}} \\&= \frac{6 \times \text{Cov}_0}{6\sigma_{X0} \sigma_{Y0}} \\&= \frac{\text{Cov}_0}{\sigma_{X0} \sigma_{Y0}} = r_0 = 0.6\end{align}
相関係数の性質
- スケール不変性: 変数に正の定数を掛けても相関係数は変わらない
- 単位の影響なし: cm→mへの変換などでは相関係数は不変
- 線形変換に対する不変性: $Y = aX + b$ (a>0) なら相関係数は1のまま
この性質により、相関係数は「標準化」された関係性の指標として有用です。データの単位や尺度に影響されません。
したがって、新しい相関係数は0.6です。