統計的仮説検定

帰無仮説と対立仮説の設定、有意水準と棄却域、第1種・第2種の誤り、p値の理解を学習します。

p値の基本理解 レベル1

p値が0.03であった場合の解釈として正しいものはどれか。

解説
解答と解説を表示
<p>p値の正しい解釈を理解する重要な問題です。</p><h4>p値とは</h4><p>p値(p-value)は、帰無仮説が正しいという条件の下で、実際に観測された統計量の値以上に極端な値が得られる確率です。</p><p class='step'>p値の正確な定義</p><p><strong>数学的定義:</strong></p><p class='formula'>$p = P(\text{観測値以上に極端}|H_0\text{が真})
lt;/p><p><strong>条件付き確率:</strong></p><ul><li>条件:帰無仮説H₀が真である</li><li>事象:観測された値以上に極端な統計量が得られる</li></ul><p class='step'>p値の解釈(p = 0.03の場合)</p><p><strong>正しい解釈:</strong></p><p>帰無仮説が正しいとすると、今回観測された値以上に極端な結果が得られる確率は3%である。</p><p><strong>よくある誤解:</strong></p><ul><li>「帰無仮説が正しい確率が3%」→ 誤り</li><li>「対立仮説が正しい確率が97%」→ 誤り</li><li>「結果が偶然の確率が3%」→ 誤り</li></ul><div class='key-point'><div class='key-point-title'>p値活用のポイント</div><ul><li><strong>判定基準:</strong> p < α なら帰無仮説を棄却</li><li><strong>証拠の強さ:</strong> p値が小さいほど帰無仮説に対する証拠が強い</li><li><strong>連続量:</strong> p値は0から1の連続値</li><li><strong>文脈依存:</strong> 有意水準との比較で判断</li></ul></div><p class='note'>p値は「帰無仮説が正しい確率」ではありません。これは統計学でよくある誤解の一つです。p値は常に「帰無仮説が真であるという条件下での確率」として解釈する必要があります。</p><p>したがって、p = 0.03の正しい解釈は<strong>帰無仮説が正しいとき、観測値以上に極端な値が得られる確率が3%である</strong>です。</p>
問題 1/10
カテゴリ一覧に戻る