統計的仮説検定

帰無仮説と対立仮説の設定、有意水準と棄却域、第1種・第2種の誤り、p値の理解を学習します。

検定力の概念 レベル1

検定力が0.8であるということの意味として最も適切なものはどれか。

解説
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<p>検定力の概念とその統計的意味を理解する問題です。</p><h4>検定力とは</h4><p><strong>検定力(statistical power):</strong></p><p>対立仮説が真であるとき、帰無仮説を正しく棄却する確率</p><p class='formula'>$\text{検定力} = 1 - \beta
lt;/p><p>ここで、βは第2種の誤りの確率です。</p><p class='step'>検定力の詳細</p><p><strong>数学的定義:</strong></p><p class='formula'>$\text{検定力} = P(\text{H₀を棄却}|\text{H₁が真})
lt;/p><p><strong>検定力0.8の意味:</strong></p><p>対立仮説が真であるとき、80%の確率でそれを正しく検出できる</p><p>言い換えると:</p><ul><li>真の効果がある場合、それを見逃す確率は20%</li><li>第2種の誤り(β)は0.2</li><li>効果を正しく検出する確率は80%</li></ul><p class='step'>検定力に影響する要因</p><p><strong>検定力を向上させる方法:</strong></p><ol><li><strong>標本サイズを大きくする</strong>:最も実用的な方法</li><li><strong>有意水準を緩める</strong>:α = 0.01 → 0.05など</li><li><strong>効果サイズが大きい</strong>:より検出しやすい</li><li><strong>分散を小さくする</strong>:測定精度の向上</li></ol><div class='key-point'><div class='key-point-title'>検定力の実用的重要性</div><ul><li><strong>研究計画:</strong> 必要な標本サイズの事前計算</li><li><strong>結果解釈:</strong> 有意でない結果の意味づけ</li><li><strong>費用対効果:</strong> 適切な研究規模の決定</li><li><strong>統計的妥当性:</strong> 研究の信頼性向上</li></ul></div><p class='note'>検定力が低い研究では、実際に効果があるにも関わらず「有意でない」という結果になりやすく、偽陰性の問題が生じます。事前に検定力分析を行うことが重要です。</p><p>したがって、検定力0.8は<strong>対立仮説が正しいとき、それを正しく検出する確率が80%である</strong>ことを意味します。</p>
問題 1/10
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