研究目的に応じた適切な検定方向の選択を理解する問題です。
片側検定と両側検定
両側検定(two-tailed test):
パラメータが基準値と「異なるか」を検定
片側検定(one-tailed test):
パラメータが基準値より「大きいか」または「小さいか」を検定
この問題の分析
研究目的: 新しい学習法により成績が向上するか
関心のある方向: 成績の「向上」(改善)
適切な仮説設定:
- 帰無仮説 H₀:μ ≤ μ₀(従来と同じか悪化)
- 対立仮説 H₁:μ > μ₀(向上している)
これは右側検定です。
検定方向の選択基準
両側検定を選ぶ場合:
- 方向が特定できない場合
- 「変化があるか」を知りたい場合
- 探索的研究の場合
片側検定を選ぶ場合:
- 理論的に方向が予測できる場合
- 実用的に一方向のみ関心がある場合
- 確認的研究の場合
片側検定の利点と注意点
- 利点:
- 検定力が高い(同じα水準で)
- 明確な研究仮説に対応
- 臨界値が小さくなる
- 注意点:
- 予想と逆方向の効果は検出できない
- 事前に方向を決めておく必要
- 理論的根拠が必要
片側検定は事前に方向が決まっている場合のみ使用すべきです。データを見てから検定方向を決めるのは適切ではありません。
したがって、成績向上を調べる場合はH₀:μ ≤ μ₀、H₁:μ > μ₀(右側検定)が適切です。