基礎編

データの要約と分析の基礎を確認します。

単回帰分析の決定係数 レベル1

単回帰分析において、以下の情報が得られている。 ・総平方和(SST): 250 ・回帰平方和(SSR): 200 このモデルの決定係数(R²)を求めよ。

解説
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<p>単回帰分析の決定係数(R²)を求める問題です。</p><p class='step'>1. 決定係数(R²)の定義</p> <p>決定係数(R²)は、回帰モデルによって説明される従属変数の変動の割合を表す指標です。0から1の間の値をとり、1に近いほどモデルの当てはまりが良いことを示します。</p><p>決定係数は以下の式で計算されます:</p> <p class='formula'>$R^2 = \frac{SSR}{SST} = 1 - \frac{SSE}{SST}
lt;/p><p>ここで:</p> <ul> <li>SST(Total Sum of Squares):総平方和 = $\sum_{i=1}^{n} (y_i - \bar{y})^2
lt;/li> <li>SSR(Regression Sum of Squares):回帰平方和 = $\sum_{i=1}^{n} (\hat{y}_i - \bar{y})^2
lt;/li> <li>SSE(Error Sum of Squares):誤差平方和 = $\sum_{i=1}^{n} (y_i - \hat{y}_i)^2
lt;/li> </ul><p>また、SST = SSR + SSE という関係があります。</p><p class='step'>2. 決定係数の計算</p> <p>問題で与えられた情報:</p> <ul> <li>総平方和(SST): 250</li> <li>回帰平方和(SSR): 200</li> </ul><p>決定係数の式に直接代入します:</p> <p class='formula'> \begin{align} R^2 &= \frac{SSR}{SST} \\ &= \frac{200}{250} \\ &= 0.8 \end{align} </p><p>または、SSE = SST - SSR = 250 - 200 = 50 を用いて:</p> <p class='formula'> \begin{align} R^2 &= 1 - \frac{SSE}{SST} \\ &= 1 - \frac{50}{250} \\ &= 1 - 0.2 \\ &= 0.8 \end{align} </p><p class='step'>3. 決定係数の解釈</p> <p>決定係数 R² = 0.8 は、このモデルが従属変数の変動の80%を説明できることを意味します。これは比較的高い値であり、モデルの当てはまりが良いことを示しています。</p><p class='note'>決定係数の特徴と注意点:</p> <ul> <li>決定係数は、単回帰分析では相関係数の二乗(R² = r²)に等しくなります。</li> <li>説明変数を増やすと、決定係数は常に増加するか同じ値を維持します(減少することはありません)。このため、多重回帰分析では調整済み決定係数(adjusted R²)がよく使用されます。</li> <li>決定係数が高くても、因果関係を示すものではありません。</li> <li>外れ値や影響力の大きいデータ点が存在すると、決定係数が歪められる可能性があります。</li> <li>決定係数だけでなく、残差分析や他の適合度指標も併せて評価することが重要です。</li> </ul><p>したがって、このモデルの決定係数(R²)は0.8です。</p>
問題 1/10
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