指数分布を用いた確率計算の問題です。
1. 指数分布の定義
指数分布 $Exp(\lambda)$ は、事象の発生間隔や寿命などの「待ち時間」をモデル化する連続確率分布です。確率密度関数は次のように表されます:
$f(x) = \lambda e^{-\lambda x}, \quad x \geq 0$
ここで、$\lambda > 0$ はレートパラメータです。
指数分布の期待値(平均)は $E(X) = \frac{1}{\lambda}$ です。
2. 問題の設定
この問題では:
- $X$:機械部品の寿命(時間)
- $E(X) = 1000$ 時間:平均寿命
- $X \sim Exp(\lambda)$:$X$ は指数分布に従う
まず、レートパラメータ $\lambda$ を求めます:
\begin{align}E(X) &= \frac{1}{\lambda} \\
1000 &= \frac{1}{\lambda} \\
\lambda &= \frac{1}{1000} = 0.001
\end{align}
求めるのは $P(500 \leq X \leq 1500)$:部品の寿命が500時間以上1500時間以下である確率です。
3. 確率の計算
指数分布の累積分布関数は次のように表されます:
$F(x) = P(X \leq x) = 1 - e^{-\lambda x}, \quad x \geq 0$
したがって:
\begin{align}
P(500 \leq X \leq 1500) &= F(1500) - F(500) \\
&= (1 - e^{-0.001 \times 1500}) - (1 - e^{-0.001 \times 500}) \\
&= e^{-0.001 \times 500} - e^{-0.001 \times 1500} \\
&= e^{-0.5} - e^{-1.5} \\
&\approx 0.6065 - 0.2231 \\
&\approx 0.3834 \end{align}
指数分布は「無記憶性」という特殊な性質を持っています。これは、すでに一定時間経過した後の残りの待ち時間の分布が、最初からの待ち時間の分布と同じであることを意味します。数学的には:
$P(X > s + t | X > s) = P(X > t)$
例えば、すでに500時間使用されている部品が、さらに1000時間以上使用できる確率は、新品の部品が1000時間以上使用できる確率と同じです。この性質は、部品の「劣化」がないことを意味し、実際の機械部品のモデルとしては単純化されていることに注意が必要です。
また、指数分布はポアソン過程(一定の率で発生する独立な事象の系列)における事象間の時間間隔の分布でもあります。ポアソン分布がある時間内に発生する事象の「数」を表すのに対し、指数分布は事象間の「時間間隔」を表します。