標本平均の分布について考える問題です。
1. 標本平均の分布の一般的性質
母集団の平均が $\mu$、分散が $\sigma^2$ であるとき、大きさ $n$ の無作為標本から計算される標本平均 $\bar{X}$ の分布は以下のようになります:
- 期待値:$E(\bar{X}) = \mu$
- 分散:$V(\bar{X}) = \frac{\sigma^2}{n}$
つまり、標本平均の期待値は母平均に等しく、分散は母分散を標本サイズで割ったものになります。
2. 正規母集団からの標本平均の分布
母集団が正規分布 $N(\mu, \sigma^2)$ に従う場合、標本平均 $\bar{X}$ も正規分布に従います:
$\bar{X} \sim N\left(\mu, \frac{\sigma^2}{n}\right)$
これは、正規分布の再生性(正規分布に従う独立な確率変数の線形結合も正規分布に従う)という性質によるものです。
3. 問題の設定
この問題では:
- 母集団:平均 $\mu = 100$、標準偏差 $\sigma = 20$ の正規分布
- 標本サイズ:$n = 25$
- 求めるのは標本平均 $\bar{X}$ の分布
4. 標本平均の分布の導出
上記の一般的性質を適用すると:
- 標本平均の期待値:$E(\bar{X}) = \mu = 100$
- 標本平均の分散:$V(\bar{X}) = \frac{\sigma^2}{n} = \frac{20^2}{25} = \frac{400}{25} = 16$
したがって、標本平均 $\bar{X}$ の分布は:
$\bar{X} \sim N(100, 4²)$
中心極限定理:母集団が正規分布でない場合でも、標本サイズ $n$ が十分に大きければ(一般的には $n \geq 30$ が目安)、標本平均 $\bar{X}$ の分布は近似的に正規分布 $N\left(\mu, \frac{\sigma^2}{n}\right)$ に従います。これは統計学の基本的な定理の一つである中心極限定理によるものです。
標本平均の標準誤差:標本平均の標準偏差 $\frac{\sigma}{\sqrt{n}}$ は「標準誤差」と呼ばれ、標本平均のばらつきの程度を表します。標本サイズ $n$ が大きくなるほど標準誤差は小さくなり、標本平均は母平均に近づきます。