解答と解説を表示
<p>ポアソン分布の正規近似を活用する練習です。</p><p class='step'>1. モデルの整理</p>
<p>来店客数 $X$ は $Poi(\lambda = 20)$ に従います。正規近似では平均 $\mu = 20$, 分散 $\sigma^2 = 20$ の正規分布を用います。</p><p class='step'>2. 余事象と連続修正</p>
<p>$P(X \geq 25)$ を求める際は、連続修正を入れて $P(X > 24.5)$ とみなします。標準化すると:</p>
<p>連続修正では境界を0.5だけ広げて元の離散値を含めます。25を含めたいので下側境界を24.5に取り、25.5にしてしまうと25が除外され $P(X \geq 26)$ の近似になってしまう点に注意します。</p>
<p class='formula'>$Z = \frac{24.5 - 20}{\sqrt{20}} \approx 1.006$</p><p class='step'>3. 正規近似で確率を求める</p>
<p>$P(X \geq 25) \approx 1 - \Phi(1.006)$。標準正規表より $\Phi(1.006) \approx 0.8428$ なので:</p>
<p class='formula'>$P(X \geq 25) \approx 1 - 0.8428 = 0.1572$</p><p>小数第3位で四捨五入すると答えは <strong>0.157</strong> です。</p><p class='step'>4. 近似精度の確認</p>
<p>ポアソン分布の累積和を統計ツールで計算すると $P(X \geq 25) \approx 0.15677$ と求まり、正規近似の結果とよく一致します。</p><p class='note'>ポアソン分布の特徴と応用:</p>
<ul>
<li>ポアソン分布は、発生率が一定で、事象が互いに独立に発生する場合のモデルとして適しています。</li>
<li>応用例:1時間あたりの電話の着信数、一定面積あたりの植物の個体数、一定時間内の放射性崩壊の回数など。</li>
<li>ポアソン分布は二項分布の極限として導出できます。$n \to \infty$, $p \to 0$ かつ $np = \lambda$ が一定のとき、二項分布 $B(n, p)$ はポアソン分布 $Poi(\lambda)$ に収束します。</li>
<li>ポアソン過程では、事象間の時間間隔は指数分布に従います。</li>
<li>複数のポアソン分布の和もポアソン分布になります。パラメータ $\lambda_1$ と $\lambda_2$ の2つのポアソン分布の和は、パラメータ $\lambda_1 + \lambda_2$ のポアソン分布になります。</li>
</ul>