標本平均の期待値と分散について考えます。
1. 標本平均の定義
大きさ $n$ の標本 $X_1, X_2, \ldots, X_n$ から計算される標本平均 $\bar{X}$ は次のように定義されます:
$\bar{X} = \frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} X_i$
2. 標本平均の期待値
期待値の線形性により、標本平均の期待値は:
$E(\bar{X}) = E\left(\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} X_i\right) = \frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} E(X_i)$
各 $X_i$ は同じ母集団から抽出されているため、すべての $i$ について $E(X_i) = \mu$ です。したがって:
$E(\bar{X}) = \frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} \mu = \frac{1}{n} \cdot n\mu = \mu$
つまり、標本平均の期待値は母平均に等しくなります。これは標本平均が母平均の不偏推定量であることを示しています。
3. 標本平均の分散
無作為標本では各観測値は互いに独立であるため、分散の加法性を使って:
$V(\bar{X}) = V\left(\frac{1}{n}\sum_{i=1}^{n} X_i\right) = \frac{1}{n^2}\sum_{i=1}^{n} V(X_i)$
各 $X_i$ の分散は $\sigma^2$ なので:
$V(\bar{X}) = \frac{1}{n^2}\sum_{i=1}^{n} \sigma^2 = \frac{1}{n^2} \cdot n\sigma^2 = \frac{\sigma^2}{n}$
標本平均の分散は母分散を標本サイズで割ったものになります。これは標本サイズが大きくなるほど標本平均の分散が小さくなることを意味し、大数の法則の基礎となる重要な性質です。
したがって、標本平均 $\bar{X}$ の期待値と分散は:
$E(\bar{X}) = \mu, \quad V(\bar{X}) = \frac{\sigma^2}{n}$
正解は「$E(\bar{x}) = \mu, V(\bar{x}) = \sigma^2/n$」です。