大標本における母分散の信頼区間を求める問題です。
1. 問題の整理
与えられた情報:
- 標本サイズ: $n = 100$
- 標本分散: $s^2 = 16$
- 求める信頼水準: 95%
2. 適切な分布の選択
標本サイズが大きい場合($n \geq 30$)、$(n-1)s^2/\sigma^2$ の分布は自由度 $n-1$ のカイ二乗分布に近似できます。しかし、$n$ が十分に大きい場合、カイ二乗分布自体が正規分布に近似できるため、別のアプローチも可能です。
大標本の場合、標本分散 $s^2$ の分布は近似的に正規分布に従い、その平均は $\sigma^2$、分散は $2\sigma^4/(n-1)$ となります。つまり:
$s^2 \sim N\left(\sigma^2, \frac{2\sigma^4}{n-1}\right)$ (近似的に)
3. 信頼区間の公式(カイ二乗分布を使用)
カイ二乗分布を用いた母分散 $\sigma^2$ の $(1-\alpha)\times 100\%$ 信頼区間は:
$\left[ \frac{(n-1)s^2}{\chi^2_{n-1, \alpha/2}}, \frac{(n-1)s^2}{\chi^2_{n-1, 1-\alpha/2}} \right]$
ここで、$\chi^2_{n-1, \alpha/2}$ は自由度 $n-1$ のカイ二乗分布の上側 $\alpha/2$ 点、$\chi^2_{n-1, 1-\alpha/2}$ は下側 $\alpha/2$ 点です。
4. 計算
95%信頼区間の場合、$\alpha = 0.05$ なので、$\alpha/2 = 0.025$ となります。
自由度は $n-1 = 100-1 = 99$ です。
カイ二乗分布表または統計ソフトウェアから:
$\chi^2_{99, 0.025} \approx 129.6$ (上側2.5%点)
$\chi^2_{99, 0.975} \approx 73.4$ (下側2.5%点、または上側97.5%点)
したがって、95%信頼区間は:
$\left[ \frac{99 \times 16}{129.6}, \frac{99 \times 16}{73.4} \right] = \left[ \frac{1584}{129.6}, \frac{1584}{73.4} \right] = [12.22, 21.58]$
大標本の場合、カイ二乗分布は正規分布に近似できるため、計算を簡略化できることがあります。また、標本サイズが大きい場合、信頼区間はより狭くなり、推定の精度が向上します。