標本サイズの決定に関する問題です。
1. 標本サイズの決定の基本
母平均の推定において、指定された精度(誤差の許容範囲)と信頼水準を満たすために必要な標本サイズを決定する方法があります。
母分散 $\sigma^2$ が既知の場合、標本平均 $\bar{X}$ の誤差の大きさ $E$ を指定の信頼水準 $(1-\alpha) \times 100\%$ で保証するために必要な最小標本サイズ $n$ は以下の式で求められます:
$n = \left(\frac{z_{\alpha/2} \sigma}{E}\right)^2$
ここで、$z_{\alpha/2}$ は標準正規分布の上側 $\alpha/2$ 点、$\sigma$ は母標準偏差、$E$ は許容される誤差の大きさです。
2. 問題の設定
この問題では:
- 許容される誤差:$E = 5$ 時間
- 信頼水準:$1 - \alpha = 0.95$(95%信頼水準)
- 母標準偏差:$\sigma = 40$ 時間
3. 必要な標本サイズの計算
95%信頼水準なので、$\alpha = 0.05$ であり、$\alpha/2 = 0.025$ です。
標準正規分布表または計算ツールを用いて、$z_{0.025} = 1.96$ を得ます。
必要な最小標本サイズは:
\begin{align}n &= \left(\frac{z_{\alpha/2} \sigma}{E}\right)^2 \\
&= \left(\frac{1.96 \times 40}{5}\right)^2 \\
&= \left(\frac{78.4}{5}\right)^2 \\
&= (15.68)^2 \\
&= 245.86 \\
&\approx 246\end{align}
標本サイズは整数でなければならないため、必要な最小標本サイズは246となります。
4. 結果の解釈
標本サイズが246以上であれば、95%の信頼水準で、標本平均と真の母平均との差が5時間以内になることが期待できます。
言い換えると、同じ方法で多数の標本を取り、それぞれから母平均を推定した場合、その約95%において、推定値と真の母平均との差が5時間以内になることが期待できます。
標本サイズの決定に関する注意点:
- 必要な標本サイズは、許容される誤差の大きさの二乗に反比例します。つまり、誤差を半分にするためには、標本サイズを4倍にする必要があります。
- 必要な標本サイズは、信頼水準が高いほど大きくなります。
- 必要な標本サイズは、母標準偏差の二乗に比例します。つまり、母標準偏差が2倍になると、必要な標本サイズは4倍になります。
- 母分散が未知の場合、予備調査や過去のデータから母分散を推定するか、保守的な見積もりを用いることがあります。
- 実際の調査では、回答率や脱落率を考慮して、計算された最小標本サイズよりも多くの標本を計画することが一般的です。
この問題では、標本平均の誤差を5時間以内(95%信頼水準)に抑えるために必要な最小標本サイズを求めました。母標準偏差が40時間であることを考慮して計算した結果、必要な最小標本サイズは246となります。
したがって、必要な最小標本サイズは246です。