確率編

確率の基礎から応用まで確認しましょう

分散の計算 レベル1

サイコロを2回投げたときの出た目の和の分散を求めよ。

解説
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<p>確率変数の分散を計算する問題です。</p><p class='step'>1. 問題の整理</p><p>サイコロを2回投げたときの出た目の和を確率変数 $X$ とします。前の問題で、$X$ の期待値は $E(X) = 7$ であることがわかっています。</p><p class='step'>2. 分散の定義</p><p>確率変数 $X$ の分散 $V(X)$ または $\sigma^2$ は、$X$ と期待値 $E(X)$ との差の二乗の期待値として定義されます:</p><p class='formula'>$V(X) = E[(X - E(X))^2] = E[X^2] - (E[X])^2
lt;/p><p>ここで、$E[X^2]$ は $X^2$ の期待値です。</p><p class='step'>3. 分散の計算(定義を直接使用)</p><p>分散の定義に従って計算します。まず、$X^2$ の期待値 $E[X^2]$ を求めます:</p><p class='formula'>\begin{align} E[X^2] &= \sum_{x=2}^{12} x^2 \times P(X = x) \\ &= 2^2 \times \frac{1}{36} + 3^2 \times \frac{2}{36} + 4^2 \times \frac{3}{36} + 5^2 \times \frac{4}{36} + 6^2 \times \frac{5}{36} + 7^2 \times \frac{6}{36} + 8^2 \times \frac{5}{36} + 9^2 \times \frac{4}{36} + 10^2 \times \frac{3}{36} + 11^2 \times \frac{2}{36} + 12^2 \times \frac{1}{36} \\ &= \frac{4 + 18 + 48 + 100 + 180 + 294 + 320 + 324 + 300 + 242 + 144}{36} \\ &= \frac{1974}{36} \\ &= 54.83 \end{align}</p><p>次に、分散を計算します:</p><p class='formula'>\begin{align}V(X) &= E[X^2] - (E[X])^2 \\ &= 54.83 - 7^2 \\ &= 54.83 - 49 \\ &= 5.83 \end{align} </p> <p class='step'>4. 別解:分散の性質を利用</p><p>分散にも線形性に関する性質がありますが、独立な確率変数の和の分散は、各確率変数の分散の和になります:</p><p class='formula'>$V(X_1 + X_2) = V(X_1) + V(X_2)$($X_1$ と $X_2$ が独立の場合)</p><p>1回のサイコロの出た目の分散を計算します:</p><p class='formula'>\begin{align}E[X_1] &= \frac{1 + 2 + 3 + 4 + 5 + 6}{6} = 3.5 \\ E[X_1^2] &= \frac{1^2 + 2^2 + 3^2 + 4^2 + 5^2 + 6^2}{6} = \frac{91}{6} \approx 15.17 \\ V(X_1) &= E[X_1^2] - (E[X_1])^2 = 15.17 - 3.5^2 = 15.17 - 12.25 = 2.92 \end{align}</p><p>サイコロを2回投げる場合、各試行は独立なので:</p><p class='formula'>$V(X) = V(X_1 + X_2) = V(X_1) + V(X_2) = 2.92 + 2.92 = 5.84
lt;/p><p>(計算の丸め誤差により、わずかな違いがあります。正確な値は $\frac{35}{6} \approx 5.83$ です。)</p><p class='note'>分散は、確率変数の値がその期待値からどれだけばらついているかを測る指標です。分散の平方根は標準偏差と呼ばれ、元の確率変数と同じ単位を持ちます。</p><p>この問題の場合、サイコロを2回投げたときの出た目の和の標準偏差は $\sqrt{5.83} \approx 2.41$ です。これは、出た目の和が期待値7から平均的に約2.41離れていることを意味します。</p><p>分散の加法性(独立な確率変数の和の分散は、各確率変数の分散の和に等しい)は、確率論や統計学で広く利用される重要な性質です。</p><p>したがって、サイコロを2回投げたときの出た目の和の分散は約5.83です。</p>
問題 1/10
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