<p>期待値の計算に関する問題です。</p><p class='step'>1. 期待値の定義</p><p>離散確率変数 $X$ の期待値 $E(X)$ は、各値 $x_i$ とその確率 $P(X = x_i)$ の積の総和として定義されます:</p><p class='formula'>$E(X) = \sum_{i} x_i \times P(X = x_i)
lt;/p><p class='step'>2. 問題の整理</p><p>このサイコロの出る目の確率分布は以下の通りです:</p><ul><li>$P(X = 1) = \frac{1}{2} = 0.5
lt;/li><li>$P(X = 2) = \frac{1}{10} = 0.1
lt;/li><li>$P(X = 3) = \frac{1}{10} = 0.1
lt;/li><li>$P(X = 4) = \frac{1}{10} = 0.1
lt;/li><li>$P(X = 5) = \frac{1}{10} = 0.1
lt;/li><li>$P(X = 6) = \frac{1}{10} = 0.1
lt;/li></ul><p>確率の合計が1になることを確認します:$0.5 + 0.1 + 0.1 + 0.1 + 0.1 + 0.1 = 1
lt;/p><p class='step'>3. 期待値の計算</p><p>期待値の定義に従って計算します:</p><p class='formula'>\begin{align}E(X) &= 1 \times P(X = 1) + 2 \times P(X = 2) + 3 \times P(X = 3) + 4 \times P(X = 4) + 5 \times P(X = 5) + 6 \times P(X = 6) \\
&= 1 \times 0.5 + 2 \times 0.1 + 3 \times 0.1 + 4 \times 0.1 + 5 \times 0.1 + 6 \times 0.1 \\
&= 0.5 + 0.2 + 0.3 + 0.4 + 0.5 + 0.6 \\
&= 2.5
\end{align}</p><p class='note'>期待値の特徴と解釈:</p><ul><li>期待値は、確率変数の「平均的な値」や「重心」と考えることができます。</li><li>期待値は、同じ実験を多数回繰り返したときの平均値に近づくことが期待されます(大数の法則)。</li><li>期待値は必ずしも確率変数が取り得る値の中に含まれるとは限りません。例えば、サイコロの目の期待値は3.5ですが、サイコロの目は整数値しか取りません。</li><li>期待値は線形性を持ちます:$E(aX + bY) = aE(X) + bE(Y)$($a$, $b$ は定数、$X$, $Y$ は確率変数)</li><li>独立な確率変数の積の期待値は、各期待値の積に等しくなります:$E(XY) = E(X)E(Y)$($X$, $Y$ が独立の場合)</li></ul><p>この問題では、偏りのあるサイコロの期待値は2.5となります。これは、このサイコロを多数回振ったときの平均値が2.5に近づくことを意味します。通常のサイコロ(各目が等確率で出る場合)の期待値は3.5ですが、この問題のサイコロは1の目が出る確率が高いため、期待値が小さくなっています。</p><p>したがって、このサイコロを1回振ったときの出る目の期待値は2.5です。</p>