回帰係数の有意性検定に関する問題です。
1. 回帰係数の検定の基本
単回帰分析において、回帰係数 $\beta_1$ が統計的に有意かどうかを検定するために、以下の仮説を設定します:
- 帰無仮説 $H_0$:$\beta_1 = 0$(説明変数 $x$ と応答変数 $y$ の間に線形関係がない)
- 対立仮説 $H_1$:$\beta_1 \neq 0$(説明変数 $x$ と応答変数 $y$ の間に線形関係がある)
この検定には t検定が用いられ、検定統計量 t値は以下の式で計算されます:
$t = \frac{\hat{\beta}_1 - 0}{SE(\hat{\beta}_1)}$
ここで、$\hat{\beta}_1$ は回帰係数の推定値、$SE(\hat{\beta}_1)$ はその標準誤差です。
2. t値の計算
問題で与えられた情報:
- 回帰係数の推定値:$\hat{\beta}_1 = 0.5$
- 標準誤差:$SE(\hat{\beta}_1) = 0.2$
t値を計算します:
\begin{align}
t &= \frac{\hat{\beta}_1 - 0}{SE(\hat{\beta}_1)} \\
&= \frac{0.5 - 0}{0.2} \\
&= \frac{0.5}{0.2} \\
&= 2.5
\end{align}
3. 臨界値の決定
有意水準 $\alpha = 0.05$ で両側検定を行う場合、自由度 $df = n - 2 = 20 - 2 = 18$ の t分布の臨界値を用います。
自由度18、有意水準5%の両側検定の臨界値は約 $\pm 2.101$ です。
4. 検定結果の判断
計算された t値 $t = 2.5$ は、臨界値 $2.101$ よりも大きいため、帰無仮説 $H_0: \beta_1 = 0$ は棄却されます。
つまり、回帰係数 $\beta_1$ は統計的に有意であり、説明変数 $x$ と応答変数 $y$ の間には有意な線形関係があると結論づけられます。
回帰分析における検定と信頼区間:
- 回帰係数の検定は、説明変数が応答変数に対して統計的に有意な影響を持つかどうかを評価するために重要です。
- p値アプローチでは、p値が有意水準 $\alpha$ よりも小さい場合に帰無仮説を棄却します。この問題の場合、t値 $t = 2.5$ に対応する両側p値は約0.022であり、$\alpha = 0.05$ よりも小さいため、帰無仮説は棄却されます。
- 回帰係数の $(1-\alpha)\times 100\%$ 信頼区間は、$\hat{\beta}_1 \pm t_{\alpha/2, n-2} \times SE(\hat{\beta}_1)$ で計算されます。この問題の場合、95%信頼区間は約 $0.5 \pm 2.101 \times 0.2 = 0.5 \pm 0.42 = [0.08, 0.92]$ となります。
- 信頼区間が0を含まない場合、有意水準 $\alpha$ で帰無仮説 $H_0: \beta_1 = 0$ は棄却されます。
したがって、正しい結論は「t値は 2.5 で、帰無仮説は棄却される」です。