母平均の検定(両側検定)に関する問題です。
1. 仮説の設定
この問題では、製品の規格重量(母平均)が500gであるかどうかを検定します。
帰無仮説 $H_0$ と対立仮説 $H_1$ は以下のように設定されます:
\begin{align}
H_0: \mu &= 500 \\
H_1: \mu &\neq 500
\end{align}
これは両側検定です。
2. 検定統計量の選択
標本サイズが36と比較的大きいので、中心極限定理により、標本平均の分布は正規分布に近似できます。したがって、z検定を用いることができます。
検定統計量 $z$ は以下のように計算されます:
$z = \frac{\bar{x} - \mu_0}{s / \sqrt{n}}$
ここで、$\bar{x}$ は標本平均、$\mu_0$ は帰無仮説で仮定される母平均、$s$ は標本標準偏差、$n$ は標本サイズです。
3. 検定統計量の計算
与えられた情報を代入して、検定統計量を計算します:
\begin{align}
z &= \frac{\bar{x} - \mu_0}{s / \sqrt{n}} \\
&= \frac{505 - 500}{15 / \sqrt{36}} \\
&= \frac{5}{15 / 6} \\
&= \frac{5}{2.5} \\
&= 2.0
\end{align}
4. 臨界値の決定
有意水準 $\alpha = 0.05$ の両側検定では、標準正規分布の上側 $\alpha/2 = 0.025$ 点と下側 $\alpha/2 = 0.025$ 点が臨界値となります。
標準正規分布表または計算ツールを用いて、$z_{0.025} = 1.96$ を得ます。
したがって、棄却域は $z < -1.96$ または $z > 1.96$ です。
5. 判定
計算された検定統計量 $z = 2.0$ は、臨界値 $z_{0.025} = 1.96$ よりも大きいため、棄却域に入ります。
したがって、有意水準5%で帰無仮説 $H_0: \mu = 500$ を棄却します。
6. 結論
有意水準5%で、この製品の母平均は規格重量500gと有意に異なると結論づけられます。
具体的には、標本平均が505gであることから、母平均は規格重量よりも大きい可能性が高いと考えられます。
母平均の検定に関する注意点:
- 標本サイズが小さい場合(一般的に $n < 30$ とされる)で母分散が未知の場合は、z検定ではなくt検定を用いるべきです。
- 母分散が既知の場合は、標本サイズに関わらずz検定を用いることができます。
- 両側検定では、検定統計量の絶対値が臨界値を超えるかどうかで判定することもできます($|z| > z_{\alpha/2}$)。
- p値を用いた判定では、計算されたp値が有意水準 $\alpha$ よりも小さければ帰無仮説を棄却します。
- 統計的有意性は、実質的な重要性を必ずしも意味しないことに注意が必要です。統計的に有意な差が見られても、その差が実用上重要でない場合もあります。
この問題では、製品の重量の標本平均が505g、標本標準偏差が15g、標本サイズが36の場合に、母平均が規格重量500gと異なるかどうかを検定しました。計算の結果、検定統計量 $z = 2.0$ となり、有意水準5%で帰無仮説を棄却することになります。
したがって、検定統計量の値は2.0であり、結論は「帰無仮説を棄却する」です。