母分散の検定に関する問題です。
1. 仮説の設定
この問題では、製造工程の母分散が25g²以下であるかどうかを検定します。
帰無仮説 $H_0$ と対立仮説 $H_1$ は以下のように設定されます:
\begin{align}
H_0: \sigma^2 &\leq 25 \\
H_1: \sigma^2 &> 25
\end{align}
ここで、$\sigma^2$ は母分散です。帰無仮説は「母分散が25g²以下である」、対立仮説は「母分散が25g²を超える」ことを表しています。
これは右片側検定です。
2. 検定統計量の選択
母集団が正規分布に従うと仮定すると、母分散の検定にはカイ二乗検定を用います。
検定統計量 $\chi^2$ は以下のように計算されます:
$\chi^2 = \frac{(n-1)s^2}{\sigma_0^2}$
ここで、$s^2$ は標本分散、$\sigma_0^2$ は帰無仮説で仮定される母分散(この場合は25)、$n$ は標本サイズです。
帰無仮説が $\sigma^2 \leq 25$ の形式なので、境界値 $\sigma^2 = 25$ で検定を行います。
3. 検定統計量の計算
与えられた情報を代入して、検定統計量を計算します:
\begin{align}
\chi^2 &= \frac{(n-1)s^2}{\sigma_0^2} \\
&= \frac{(25-1) \times 16}{25} \\
&= \frac{24 \times 16}{25} \\
&= \frac{384}{25} \\
&= 15.36
\end{align}
4. 臨界値の決定
有意水準 $\alpha = 0.05$ の右片側検定では、自由度 $n - 1 = 24$ のカイ二乗分布の上側 $\alpha = 0.05$ 点が臨界値となります。
カイ二乗分布表または計算ツールを用いて、$\chi^2_{24, 0.05} = 36.415$ を得ます。
したがって、棄却域は $\chi^2 > 36.415$ です。
5. 判定
計算された検定統計量 $\chi^2 = 15.36$ は、臨界値 $\chi^2_{24, 0.05} = 36.415$ よりも小さいため、棄却域に入りません。
したがって、有意水準5%で帰無仮説 $H_0: \sigma^2 \leq 25$ を棄却することはできません。
6. 結論
有意水準5%で、この製造工程の母分散が25g²を超えるという十分な証拠はないと結論づけられます。
具体的には、標本から計算された分散は16g²であり、これは25g²よりも小さいため、母分散が25g²以下であるという帰無仮説と矛盾しません。
母分散の検定に関する注意点:
- 母分散の検定は、母集団が正規分布に従うという仮定に基づいています。この仮定が満たされない場合、検定の結果は信頼できない可能性があります。
- 母分散の検定は、母平均の検定よりも正規性の仮定に敏感です。
- 標本サイズが小さい場合、検定の検出力が低くなる可能性があります。
- 母分散の検定は、製造工程の安定性や測定の精度を評価する際に重要です。
- 複数の母分散を比較する場合は、F検定やバートレット検定などの方法を用います。
この問題では、25個の製品の標本分散が16g²であった場合に、母分散が25g²以下であるかどうかを検定しました。計算の結果、検定統計量 $\chi^2 = 15.36$ となり、有意水準5%で帰無仮説を棄却することはできません。