検定編

統計的仮説検定の理論と実践を学ぼう

母平均に関する片側t検定(計算) レベル1

ある製品の従来の平均重量は500gであった。新しい製法を導入した結果、製品の重量が増加したかどうかを検証したい。無作為に16個の製品を抽出し、重量を測定したところ、標本平均は505g、不偏分散は64g²であった。有意水準5%で、新製法によって製品の平均重量が増加したと言えるか。仮説検定を行い、結論を述べなさい。ただし、製品の重量は正規分布に従うものとし、t分布表から自由度15における上側5%点は1.753とする。

解説
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<p>母平均の増加を検証するための片側t検定の問題です。</p><p class='key-point'>帰無仮説 \( H_0: \mu = \mu_0 \) に対し、対立仮説 \( H_1: \mu > \mu_0 \) (または \( \mu < \mu_0 \)) を設定し、t検定統計量を計算して棄却域と比較します。</p><p class='step'>1. 仮説の設定</p><ul><li>帰無仮説 \( H_0: \mu = 500 \) (新製法でも平均重量は変わらない)</li><li>対立仮説 \( H_1: \mu > 500 \) (新製法で平均重量は増加した)</li></ul><p>これは右側片側検定です。</p><p class='step'>2. 検定統計量の計算</p><p>標本サイズ n = 16, 標本平均 \( \bar{x} = 505 \)g, 不偏分散 \( u^2 = 64 \)g², 母平均 \( \mu_0 = 500 \)g。</p><p>検定統計量tは次のように計算されます。</p><p>\[ t = \frac{\bar{x} - \mu_0}{\sqrt{u^2/n}} = \frac{505 - 500}{\sqrt{64/16}} = \frac{5}{\sqrt{4}} = \frac{5}{2} = 2.5 \]</p><p class='step'>3. 棄却域の設定</p><p>有意水準 \( \alpha = 0.05 \)。自由度は \( df = n - 1 = 16 - 1 = 15 \)。</p><p>右側片側検定なので、棄却域は \( t > t_{0.05}(15) \) です。</p><p>問題文より、\( t_{0.05}(15) = 1.753 \)。</p><p>よって、棄却域は \( t > 1.753 \) となります。</p><p class='step'>4. 判定と結論</p><p>計算された検定統計量 \( t = 2.5 \) は、棄却域 \( t > 1.753 \) に含まれます (\( 2.5 > 1.753 \))。</p><p>したがって、帰無仮説 \( H_0 \) は棄却されます。</p><p>結論:有意水準5%で、新製法によって製品の平均重量が増加したと言えます。</p>
問題 1/10
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