回帰分析

線形回帰、一般化線形モデル、ロジスティック回帰、モデル選択など統計検定準1級レベルの回帰分析理論

分位点回帰の応用レベル3

分位点回帰において、第1分位点（Q1）および第3分位点（Q3）の回帰直線が $Q_1: y = 2 + 0.8x$、$Q_3: y = 4 + 1.2x$ で推定された。$x = 5$ における四分位範囲（IQR）の値はいくらか。

解説

解答と解説を表示

分位点回帰（Quantile Regression）は、応答変数の条件付き分位点をモデル化する手法で、データの分布全体を理解するのに有効です。

分位点回帰は、条件付き分位点関数をモデル化：

$Q_\tau(Y|X = x) = \mathbf{x}^T \boldsymbol{\beta}_\tau$

ここで：

Step 1: 分位点の定義

主要な分位点：

四分位範囲（IQR）：

$\text{IQR} = Q_3 - Q_1$

これは中央50%のデータの範囲を表します。

Step 2: 与えられた回帰直線

問題で与えられた分位点回帰直線：

これらの式は、説明変数$x$の値に対する条件付き分位点を表します。

Step 3: x = 5での各分位点の計算

第1分位点（Q1）の計算：

$Q_1(5) = 2 + 0.8 \times 5 = 2 + 4 = 6$

第3分位点（Q3）の計算：

$Q_3(5) = 4 + 1.2 \times 5 = 4 + 6 = 10$

Step 4: 四分位範囲の計算

$\text{IQR}(x = 5) = Q_3(5) - Q_1(5) = 10 - 6 = 4$

しかし、選択肢を見ると4.0以外の値もあるため、計算を再確認：

$Q_1(5) = 2 + 0.8 \times 5 = 2 + 4.0 = 6.0$

$Q_3(5) = 4 + 1.2 \times 5 = 4 + 6.0 = 10.0$

$\text{IQR} = 10.0 - 6.0 = 4.0$

第$\tau$分位点回帰は以下の目的関数を最小化：

$\min_{\boldsymbol{\beta}} \sum_{i=1}^n \rho_\tau(y_i - \mathbf{x}_i^T \boldsymbol{\beta})$

ここで、チェック関数$\rho_\tau(u)$は：

$\rho_\tau(u) = u(\tau - \mathbf{1}\{u < 0\}) = \begin{cases}\tau u & \text{if } u \geq 0 \\(\tau - 1)u & \text{if } u < 0\end{cases}$

Step 5: 分位点回帰の解釈

回帰係数の意味：

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