<h4>線形回帰 (Linear Regression) とは?</h4>
<p>線形回帰は、<strong>教師あり学習</strong>の基本的な手法の一つで、入力変数(説明変数)と出力変数(目的変数)の間の<strong>線形な関係</strong>をモデル化します。目的変数が連続値である<strong>回帰問題</strong>で広く用いられます。</p>
<h4>単回帰モデル</h4>
<p>入力変数が1つの場合を特に単回帰と呼びます。データ(\(x, y\))の関係を直線で表現します。</p>
<div class="formula">
$\hat{y} = w_0 + w_1 x
lt;/div>
<ul>
<li>\(\hat{y}\): 目的変数 \(y\) の予測値(例: 販売数)。</li>
<li>\(x\): 入力変数(説明変数)。例: 商品の価格。</li>
<li>\(w_0\): <strong>切片 (Intercept)</strong> またはバイアス項。入力 \(x\) が0のときの予測値 \(\hat{y}\) 。</li>
<li>\(w_1\): <strong>傾き (Slope)</strong> または係数。入力 \(x\) が1単位増加したときに、予測値 \(\hat{y}\) がどれだけ変化するか。</li>
</ul>
<p>学習では、実際の値 \(y\) と予測値 \(\hat{y}\) の誤差(例: 二乗誤差)を最小にするようにパラメータ \(w_0, w_1\) を決定します(最小二乗法)。</p>
<h4>予測値の計算</h4>
<p>学習済みのモデルとパラメータ:</p>
<div class="formula">
$\hat{y} = 150 - 10 x
lt;/div>
<p>予測したい入力値:</p>
<ul>
<li>価格 \(x = 8\)</li>
</ul>
<p>モデルに代入して予測販売数 \hat{y}を計算します:</p>
<div class="formula">
$ \hat{y} = 150 - (10 \times 8)
= 150 - 80
= 70
lt;/div>
<p>したがって、価格が8のときの予測販売数は <strong>70</strong> です。</p>
<div class="key-point">
<div class="key-point-title">重要ポイント:モデルの解釈と適用</div>
<ul>
<li><strong>解釈:</strong> このモデルでは、価格が1単位上昇するごとに販売数が10単位減少すると予測されます。切片150は価格0の場合の予測値ですが、現実的な範囲外の解釈には注意が必要です。</li>
<li><strong>適用例:</strong> 広告費と売上、勉強時間とテストスコアなど、2つの連続変数間の関係性の分析・予測。</li>
<li><strong>限界:</strong> 現実の関係は必ずしも線形ではないため、モデルの適用範囲や精度には限界があります。</li>
</ul>
</div>