解答と解説を表示
<h4>独立事象の同時確率</h4>
<p>2つの事象AとBが<strong>独立(Independent)</strong>であるとは、一方の事象が起こるかどうかが、他方の事象が起こる確率に影響を与えないことを意味します。</p>
<p>事象AとBが独立である場合、両方の事象が同時に起こる確率(同時確率 \(P(A \cap B)\) または \(P(A \text{ and } B)\))は、それぞれの事象が起こる確率の積で計算できます。</p>
<div class="formula">
$ P(A \cap B) = P(A) \times P(B) \quad (AとBが独立の場合)$
</div>
<h5>今回の問題における計算</h5>
<p>問題文で、画像Aを正しく分類する事象と画像Bを正しく分類する事象は<strong>独立</strong>であると明記されています。</p>
<ul>
<li>画像Aを正しく分類する確率: \(P(A) = 0.9\)</li>
<li>画像Bを正しく分類する確率: \(P(B) = 0.8\)</li>
</ul>
<p>両方の画像を正しく分類する確率を計算するために、上記の積の法則を適用します。</p>
<div class="formula">
$ P(A \cap B) = P(A) \times P(B) \\
= 0.9 \times 0.8 \\
= 0.72$
</div>
<p>したがって、両方の画像を正しく分類する確率は <strong>0.72</strong> です。</p>
<div class="key-point">
<div class=\"key-point-title\">独立性の仮定</div>
<ul>
<li>機械学習や統計モデリングでは、計算を単純化するために事象間の独立性を仮定することがよくあります(例: ナイーブベイズ分類器)。</li>
<li>しかし、現実の問題では事象が完全に独立であるとは限らないため、独立性の仮定が妥当かどうかを検討することが重要です。例えば、同じシーンから切り取られた2つの画像パッチの分類結果は、独立でない可能性があります。</li>
<li>事象が独立でない場合(従属事象の場合)、同時確率の計算には条件付き確率が必要になります: \(P(A \cap B) = P(A) P(B|A) = P(B) P(A|B)\)</li>
</ul>
</div>