離散確率変数の期待値
確率変数 \(X\) の期待値(Expected Value) \(E[X]\) または \(\mu\) は、\(X\) がとりうる各値とその値をとる確率の積をすべて足し合わせたものです。これは、確率変数の「平均値」や「中心的な値」を表す尺度と考えることができます。
離散確率変数 \(X\) が値 \(x_1, x_2, ..., x_k\) をそれぞれ確率 \(p_1, p_2, ..., p_k\) でとるとき(ただし \(\sum_{i=1}^{k} p_i = 1\))、期待値は以下の式で定義されます。
$ E[X] = \sum_{i=1}^{k} x_i P(X=x_i) = \sum_{i=1}^{k} x_i p_i$
今回の問題における計算
与えられた確率変数 \(X\) は以下の値と確率を持ちます。
- 値 \(x_1=1\), 確率 \(p_1=0.2\)
- 値 \(x_2=2\), 確率 \(p_2=0.5\)
- 値 \(x_3=3\), 確率 \(p_3=0.3\)
(確率の合計: \(\sum_{i=1}^{k} p_i = 1.0\))
期待値の定義に従って計算します。
$E[X] = (x_1 \times p_1) + (x_2 \times p_2) + (x_3 \times p_3) \\
= (1 \times 0.2) + (2 \times 0.5) + (3 \times 0.3) \\
= 0.2 + 1.0 + 0.9 \\
= 2.1$
したがって、この確率変数 \(X\) の期待値は 2.1 です。
期待値の意味
- 期待値は、確率変数の試行を多数回繰り返した場合に得られるであろう値の平均値(長期的な平均、理論的な平均)と解釈できます。
- 必ずしも確率変数が実際にとりうる値であるとは限りません(この例でも 2.1 は X がとりうる値ではありません)。
- 期待値は、確率分布の中心的な傾向を示す重要な指標です。
- 期待値には線形性があります: \(E[aX + bY] = aE[X] + bE[Y]\) (a, bは定数)。