解答と解説を表示
<h4>ポアソン分布とは?</h4>
<p>ポアソン分布は、ある一定の期間や空間において、「まれ」に発生するイベントの発生回数が従う離散確率分布です。例えば、以下のような事象の発生回数のモデル化によく使われます。</p>
<ul>
<li>単位時間あたりにかかってくる電話の件数</li>
<li>一定面積あたりに存在する特定の種類の植物の数</li>
<li>一定量の製品に含まれる欠陥の数</li>
<li>ウェブサイトへの単位時間あたりのアクセス数(今回の問題)</li>
</ul>
<p>ポアソン分布が適用できるための主な仮定は以下の通りです。</p>
<ul>
<li>イベントの発生は互いに<strong>独立</strong>である。</li>
<li>ごく短い時間(または空間)内にイベントが2回以上発生する確率は無視できるほど小さい。</li>
<li>イベントの平均発生率は、観測期間(または空間)を通じて<strong>一定</strong>である(\(\lambda\))。</li>
</ul><h5>確率質量関数 (PMF)</h5>
<p>単位期間(または空間)あたりの平均発生回数が \(\lambda\) であるとき、実際に \(k\) 回イベントが発生する確率 P(X=k) は、以下の確率質量関数で与えられます。</p>
<div class="formula">
$P(X=k) = \frac{\lambda^k e^{-\lambda}}{k!}$
</div>
<ul>
<li>\(\lambda\): 単位期間あたりの平均発生回数(正の値)</li>
<li>\(k\): イベントの発生回数(0以上の整数)</li>
<li>\(e\): ネイピア数(自然対数の底、約 2.71828)</li>
<li>\(k!\): \(k\) の階乗 (\(k \times (k-1) \times ... \times 1\)、ただし \(0! = 1\))</li>
</ul><h5>今回の計算</h5>
<p>問題の条件:</p>
<ul>
<li>単位時間(1時間)あたりの平均アクセス数: \(\lambda = 3\)</li>
<li>求めたいアクセス回数: \(k = 2\)</li>
<li>与えられた値: \(e^{-3} \approx 0.0498\)</li>
</ul>
<p>まず、\(k\) の階乗を計算します: \(k! = 2! = 2 \times 1 = 2\)。</p>
<p>次に、PMFにこれらの値を代入します。</p>
<div class="formula">
$P(X=2) = \frac{\lambda^k e^{-\lambda}}{k!} = \frac{3^2 \times e^{-3}}{2!}
\approx \frac{9 \times 0.0498}{2}
= \frac{0.4482}{2}
= 0.2241$
</div><h5>結果の解釈</h5>
<p>したがって、平均して1時間に3回のアクセスがあるウェブサイトにおいて、次の1時間にちょうど2回のアクセスがある確率は約 <strong>0.2241</strong> (または 22.41%) です。</p>
<p>同様に、\(k=0, 1, 3, ...\) の場合の確率も計算でき、それらの確率を合計すると1になります。</p>