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<h4>ポアソン分布の期待値(平均発生回数)</h4>
<p>期待値は、確率変数が平均してとる値を示します。ポアソン分布 \(Po(\lambda)\) に従う確率変数 \(X\) (特定の期間や空間におけるイベントの発生回数)の場合、その期待値 \(E[X]\) はパラメータ \(\lambda\) 自身と等しくなります。</p>
<div class="formula">
$E[X] = \lambda$
</div><h5>パラメータ \(\lambda\) の意味</h5>
<p>ポアソン分布のパラメータ \(\lambda\) は、そもそも「単位期間(または単位空間)あたりの<strong>平均</strong>発生回数」として定義されています。したがって、期待値が \(\lambda\) になるのは、定義から考えて自然な結果と言えます。</p><h5>今回の計算</h5>
<p>問題の条件:</p>
<ul>
<li>単位期間: 10分間</li>
<li>平均発生回数(パラメータ): \(\lambda = 8\) 台</li>
</ul>
<p>ポアソン分布の期待値の公式により、</p>
<div class="formula">
$E[X] = \lambda = 8$
</div>
<p>したがって、この交差点を10分間に通過する車の台数の期待値は <strong>8</strong> 台です。これは、長期間にわたって観測した場合、10分間あたり平均して8台の車が通過することを示唆しています。</p><h5>補足:分散について</h5>
<p>ポアソン分布のもう一つの興味深い性質は、<strong>分散も期待値と同じく \(\lambda\) になる</strong>ことです。</p>
<div class="formula">
$Var(X) = \lambda$
</div>
<p>今回のケースでは、分散も8となります。これは、10分間に通過する車の台数が期待値8の周りでどの程度ばらつくかを示しています。標準偏差は \(\sqrt{Var(X)} = \sqrt{8} \approx 2.83\) 台です。期待値と分散が等しいことは、ポアソン分布の特徴の一つです。</p>