この問題では統計学の最重要定理の一つである中心極限定理 (CLT) の具体的な計算への応用を学習します。元の分布が何であれ(分散が有限なら)、サンプルサイズが大きければ標本平均は近似的に正規分布に従うという性質です。
標本平均の分布
母平均 $\mu$、母分散 $\sigma^2$ の集団からサイズ $n$ の標本をとるとき、標本平均 $\bar{X}$ は近似的に以下の正規分布に従います:
$\bar{X} \sim N\left(\mu, \frac{\sigma^2}{n}\right)$
1. パラメータの計算
- 平均 $\mu_{\bar{X}} = 8$
- 標準偏差(標準誤差) $\sigma_{\bar{X}} = \frac{\sigma}{\sqrt{n}} = \frac{2.5}{\sqrt{40}}$
$\sqrt{40} = 2\sqrt{10} \approx 6.324555$ なので、$\sigma_{\bar{X}} = 2.5/\sqrt{40} \approx 0.395285$
2. 標準化
$Z = \frac{8.5 - 8}{2.5/\sqrt{40}} \approx 1.264911$
3. 確率の計算
設問は正規分布表の使用を指定していないので、標準正規分布の上側確率をそのまま求めます。
$P(\bar{X} > 8.5) = 1 - \Phi(1.264911) \approx 0.102952$
小数第5位は 5 で、その下にも 0 でない桁があるため切り上げ、小数第4位までで 0.1030 です。
大数の法則との違い
大数の法則は「$n$が増えると誤差が0に近づく」ことを示し、中心極限定理は「その誤差がどのように分布するか」を示します。信頼区間の推定には後者が不可欠です。