この問題では統計学の最重要定理の一つである中心極限定理 (CLT) の具体的な計算への応用を学習します。元の分布が何であれ、サンプルサイズが大きければ平均値は正規分布に従うという性質です。
標本平均の分布
母平均 $\mu$、母分散 $\sigma^2$ の集団からサイズ $n$ の標本をとるとき、標本平均 $\bar{X}$ は近似的に以下の正規分布に従います:
$\bar{X} \sim N\left(\mu, \frac{\sigma^2}{n}\right)$
1. パラメータの計算
- 平均 $\mu_{\bar{X}} = 8$
- 標準偏差(標準誤差) $\sigma_{\bar{X}} = \frac{\sigma}{\sqrt{n}} = \frac{2.5}{\sqrt{40}}$
$\sqrt{40} \approx 6.324$
$\sigma_{\bar{X}} = 2.5 / 6.324 \approx 0.3953$
2. 標準化
$Z = \frac{\bar{X} - \mu_{\bar{X}}}{\sigma_{\bar{X}}} = \frac{8.5 - 8}{0.3953} = \frac{0.5}{0.3953} \approx 1.265$
3. 確率の計算
$P(\bar{X} > 8.5) = P(Z > 1.265)$
標準正規分布表より、$P(Z \le 1.26) \approx 0.8962, P(Z \le 1.27) \approx 0.8980$。
$P(Z > 1.265) \approx 1 - 0.8971 = 0.1029$
(厳密計算では 0.10293...)
大数の法則との違い
大数の法則は「$n$が増えると誤差が0に近づく」ことを示し、中心極限定理は「その誤差がどのように分布するか」を示します。信頼区間の推定には後者が不可欠です。