分散分析(ANOVA)の等分散性仮定
一元配置分散分析の適用には重要な仮定があり、その中でも等分散性(分散の等質性)は統計的妥当性に大きく影響します。
正解について
選択肢A:等分散性とは各群の母分散が等しいことを仮定し、Levene検定やBartlett検定で確認できます。これがANOVAの基本的な仮定の一つです。
ANOVAの主要な仮定
- 正規性:各群のデータが正規分布に従う
- 等分散性:各群の母分散が等しい(σ₁² = σ₂² = ... = σₖ²)
- 独立性:観測値が相互に独立
他の選択肢について
- 選択肢B:各群の標本サイズが等しいことは、ANOVAの厳密な仮定ではありません(ただし、標本サイズが不均等な場合でもANOVAは実施できますが、分散の等質性の仮定が満たされないと、結果に影響を与える可能性があります)。また、t検定は2群間の平均の差を検定するものであり、標本サイズが等しいかどうかを確認する目的には用いられません。
- 選択肢C:各群の平均が等しいという仮定は、帰無仮説そのものです。つまり、ANOVAは、この帰無仮説(すべての群の母平均が等しい)をF検定を用いて検定するために行われる分析であり、前提とする仮定ではありません。
- 選択肢D:各群のデータが正規分布に従うことは、ANOVAのもう一つの重要な仮定です(厳密には、誤差項が正規分布に従うこと)。そして、この正規性の仮定は、Shapiro-Wilk検定やKolmogorov-Smirnov検定(コルモゴロフ検定)などで確認できます。しかし、この選択肢は「分散の等質性」に関する記述としては適切ではありません。部分的に正しいが、分散の等質性に関する記述ではないです。
等分散性の検定方法
| 検定法 | 特徴 | 適用場面 |
|---|
| Levene検定 | 頑健性が高い | 一般的に推奨 |
| Bartlett検定 | 正規性に敏感 | 正規分布の場合 |
| Brown-Forsythe検定 | 外れ値に頑健 | 外れ値がある場合 |
等分散性が満たされない場合の対処法
Welch's ANOVAやKruskal-Wallis検定など、等分散性を仮定しない代替手法を使用します。