1標本t検定の統計量計算と理論的背景
1標本t検定(one-sample t-test)は、母標準偏差が未知の場合に母平均に関する仮説を検定する基本的な統計手法の一つです。この検定は、臨床研究、品質管理、実験科学など幅広い分野で応用されています。
理論的背景
母集団が正規分布 $N(\mu, \sigma^2)$ に従い、$\sigma$ が未知の場合、検定統計量は:
$t = \frac{\bar{X} - \mu_0}{s/\sqrt{n}}$
この統計量は、帰無仮説 $H_0: \mu = \mu_0$ が真のとき、自由度 $n-1$ のt分布に従います。
今回の計算手順
ステップ 1: 仮説設定
$H_0: \mu = 100$ vs. $H_1: \mu \neq 100$ (両側検定)
ステップ 2: 標準誤差の計算
$SE = \frac{s}{\sqrt{n}} = \frac{6}{\sqrt{16}} = \frac{6}{4} = 1.5$
ステップ 3: 検定統計量の計算
$t = \frac{\bar{x} - \mu_0}{SE} = \frac{102 - 100}{1.5} = \frac{2}{1.5} = 1.33$
ステップ 4: 自由度の確認
$df = n - 1 = 16 - 1 = 15$
結果の解釈
得られた検定統計量 $t = 1.33$ は、標本平均が仮定された母平均からどれだけ離れているかを、標準誤差で標準化した値です。
前提条件と注意点
- 正規性の仮定:母集団が正規分布、または中心極限定理による近似
- 独立性:標本が相互に独立
- 片側 vs 両側:研究仮説に基づき事前に決定
| 段階 | 値 | 意味 |
|---|
| 標本サイズ | n = 16 | 比較的小標本 |
| 標本平均 | 102 | 仮定値より大 |
| 標本標準偏差 | 6 | バラツキの推定値 |
| 検定統計量 | t = 1.33 | 標準化された差 |
次のステップ
この検定統計量を用いて、次のいずれかの方法で仮説検定を完了します:
- 臨界値法:$|t| = 1.33$ を $t_{0.025,15} = 2.131$ と比較
- p値法:$p = 2P(T_{15} > 1.33) \approx 0.204$ を有意水準と比較
実用的注意:標本サイズが小さい(n < 30)場合、正規性の仮定が特に重要です。必要に応じて正規性検定(Shapiro-Wilk検定など)を実施してください。