単一比率の仮説検定におけるz統計量の計算問題です。
比率の仮説検定
比率の検定では、二項分布を正規分布で近似して行います。標本サイズが十分大きい場合、標本比率は近似的に正規分布に従います。
比率検定のz統計量
公式:
$z = \frac{\hat{p} - p_0}{\sqrt{\frac{p_0(1-p_0)}{n}}}$
ここで:
- $\hat{p}$:標本比率
- $p_0$:帰無仮説下の母比率
- $n$:標本サイズ
重要: 標準誤差の計算に帰無仮説下の比率$p_0$を使用します。
計算手順
与えられた条件:
- 標本サイズ:n = 100
- 成功数:60
- 帰無仮説:p₀ = 0.5
ステップ1: 標本比率の計算
$\hat{p} = \frac{\text{成功数}}{n} = \frac{60}{100} = 0.60$
ステップ2: 標準誤差の計算
$SE = \sqrt{\frac{p_0(1-p_0)}{n}} = \sqrt{\frac{0.5 \times 0.5}{100}} = \sqrt{\frac{0.25}{100}} = \sqrt{0.0025} = 0.05$
ステップ3: z統計量の計算
$z = \frac{\hat{p} - p_0}{SE} = \frac{0.60 - 0.50}{0.05} = \frac{0.10}{0.05} = 2.00$
正規近似の妥当性
近似条件の確認:
- $np_0 = 100 \times 0.5 = 50 \geq 5$ ✓
- $n(1-p_0) = 100 \times 0.5 = 50 \geq 5$ ✓
両方の条件を満たすため、正規近似は妥当です。
比較:信頼区間との関係
- 検定用SE: $\sqrt{p_0(1-p_0)/n}$(帰無仮説値使用)
- 信頼区間用SE: $\sqrt{\hat{p}(1-\hat{p})/n}$(標本値使用)
比率の検定では、標準誤差の計算に標本比率ではなく帰無仮説下の比率を使用することが重要です。これは、帰無仮説が真であることを仮定した検定統計量の分布を求めるためです。
したがって、z統計量は2.00です。