カイ二乗分布を用いた確率計算の問題です。
1. カイ二乗分布の定義
カイ二乗分布は、独立な標準正規分布に従う確率変数の二乗和の分布です。自由度 $\nu$ のカイ二乗分布は、$\nu$ 個の独立な標準正規分布に従う確率変数の二乗和の分布として定義されます:
$\chi^2_\nu = Z_1^2 + Z_2^2 + \cdots + Z_\nu^2$
ここで、$Z_1, Z_2, \ldots, Z_\nu$ はそれぞれ独立な標準正規分布 $N(0, 1)$ に従う確率変数です。
2. 問題の設定
この問題では:
- $\chi^2$:自由度 $\nu = 5$ のカイ二乗分布に従う確率変数
- 求めるのは $P(\chi^2 > 11.07)$:$\chi^2$ が11.07より大きくなる確率
3. 確率の計算
カイ二乗分布表を用いて、自由度 $\nu = 5$ のカイ二乗分布において、$\chi^2 > 11.07$ となる確率を求めます。
カイ二乗分布表には通常、上側確率(右側の面積)に対応するカイ二乗値が記載されています。この問題では逆に、カイ二乗値から上側確率を求める必要があります。
自由度 $\nu = 5$ のカイ二乗分布表を参照すると:
- $\chi^2_{0.05, 5} \approx 11.07$:上側確率が0.05となるカイ二乗値は約11.07
したがって:
\begin{align}
P(\chi^2 > 11.07) &\approx 0.05\end{align}
カイ二乗分布は統計学の様々な場面で用いられます:
- 母分散の区間推定と検定
- 適合度検定(観測度数と期待度数の比較)
- 独立性の検定(分割表の分析)
- 分散分析(ANOVA)
カイ二乗分布の主な特徴:
- 非対称分布(右に裾が長い)
- 定義域は非負の実数($\chi^2 \geq 0$)
- 期待値は自由度に等しい:$E(\chi^2_\nu) = \nu$
- 分散は自由度の2倍:$V(\chi^2_\nu) = 2\nu$
- 自由度 $\nu$ が大きくなるにつれて、正規分布 $N(\nu, 2\nu)$ に近づく
また、カイ二乗分布は再生性を持ちます。つまり、独立なカイ二乗分布に従う確率変数の和は、自由度の和のカイ二乗分布に従います:
$\chi^2_\nu + \chi^2_m = \chi^2_{\nu+m}$
したがって、自由度5のカイ二乗分布において、$\chi^2 > 11.07$ となる確率は約0.05です。