全確率の法則を用いて解く問題です。
1. 問題の整理
問題で与えられた情報:
- 箱A:赤玉2個、白玉3個(合計5個)
- 箱B:赤玉4個、白玉1個(合計5個)
- 箱の選択:ランダム(各箱が選ばれる確率は等しい)
求めるのは、取り出した玉が赤玉である確率です。
2. 事象の定義
以下の事象を定義します:
- 事象 $A$:箱Aを選ぶ
- 事象 $B$:箱Bを選ぶ
- 事象 $R$:取り出した玉が赤玉である
問題で与えられた情報より:
- $P(A) = P(B) = 1/2 = 0.5$(各箱が選ばれる確率は等しい)
- $P(R|A) = 2/5 = 0.4$(箱Aから赤玉を取り出す確率)
- $P(R|B) = 4/5 = 0.8$(箱Bから赤玉を取り出す確率)
3. 全確率の法則の適用
全確率の法則は、互いに排反で全事象を網羅する事象の集合 $\{A_1, A_2, \ldots, A_n\}$ に対して、任意の事象 $B$ の確率を以下のように表します:
$P(B) = \sum_{i=1}^{n} P(B|A_i) \times P(A_i)$
この問題では、箱の選択(事象 $A$ と事象 $B$)が互いに排反で全事象を網羅しているので、全確率の法則を適用できます:
$P(R) = P(R|A) \times P(A) + P(R|B) \times P(B)$
与えられた値を代入します:
$P(R) = 0.4 \times 0.5 + 0.8 \times 0.5 = 0.2 + 0.4 = 0.6$
全確率の法則は、条件付き確率と関連する重要な定理です。これは、ある事象の確率を、互いに排反な事象の集合に関する条件付き確率の加重平均として表現します。
この問題では、取り出した玉が赤玉であるという事象の確率を、箱Aを選んだ場合と箱Bを選んだ場合の2つの排反事象に分解して計算しています。
全確率の法則は、ベイズの定理の導出にも用いられます。ベイズの定理は、事前確率と条件付き確率から事後確率を計算するための公式です。
したがって、取り出した玉が赤玉である確率は $0.6$ です。