同じデータでも、縦軸の始点を変えると棒の長さの印象が大きく変わります。数値の増加率と、図の見かけを分けて読む問題です。
切断軸が作る印象
売上はBefore 98万円、After 102万円です。増加率は次のとおりです。
$\dfrac{102-98}{98}\times 100 = \dfrac{4}{98}\times 100 \approx 4.1\%$
左図の縦軸は0始まりなので、棒の高さは実際の金額に比例します。右図は97始まりなので、棒の見える部分は$98-97=1$と$102-97=5$です。見かけの比は5対1になり、約400%増えたような印象を与えます。これが「切断された軸」の効果です。
正解の理由
増加率は約4.1%です。97始まりの軸が、わずかな差を視覚的に強調しています。数値・単位・縦軸の開始値を一緒に確認します。
他の選択肢が誤りである理由
- 増加率は約400%である: 右図の棒の見かけ比を、そのまま増加率と読んだ誤りです。計算は約4.1%です。
- 縦軸の開始値は印象に影響しない: 本図がその反例です。始点を上げると差が誇張されます。
- 売上は減少している: 98から102へ増えています。
グラフ・リテラシーの基本
- 差を読む前に、軸が0から始まっているかを見る
- 棒の長さだけでなく、軸の目盛りと単位を読む
- 増加率は差分を元の値で割る。見かけの長さの比ではない
2級・準1級への橋渡し: 2級では相対的な変化を指数や成長率で扱い、基準値の取り方が結論を変えることを学びます。軸の切断は数式以前の読解ですが、後の回帰や時系列でも「尺度の取り方で印象が変わる」という感覚は共通です。3級では、計算(約4.1%)と視覚(強調された差)を両方答えられることが目標です。
したがって、増加率は約4.1%で、97始まりの軸が差を強調しています。