同じデータでも、要約の指標によって「典型」の見え方が変わります。外れ値が1つあるとき、平均値と範囲は大きく動き、中央値と四分位範囲は動きにくい、というのがこの問題の主題です。
外れ値がある分布の要約
住宅価格は大半が20〜38百万円で、300百万円が1件あります。ヒストグラムでは右に離れた柱、箱ひげ図では箱から大きく外れた点として表れます。
- 平均値: すべての値を平等に足すので、300百万円に強く引っ張られる
- 範囲(最大−最小): 最大値が300百万円なので、散らばりの指標として外れ値に支配される
- 中央値: 順番の真ん中なので、端の1点の影響を受けにくい
- 四分位範囲(IQR): 第3四分位数−第1四分位数で、中央50%の幅。両端の極端値の影響を受けにくい
「典型的な価格」と「中央50%の散らばり」を説明するなら、中央値と四分位範囲の組合せが適します。
正解の理由
300百万円の外れ値は平均値と範囲を大きく動かします。中央値と四分位範囲は外れ値の影響を受けにくく、典型の位置と中央50%の散らばりの説明に向きます。上下にそろえたヒストグラムと箱ひげ図で、山の位置と箱の位置を対応させて読みます。
他の選択肢が誤りである理由
- 平均値と範囲だけ: どちらも外れ値に敏感で、大半の住宅の姿を表しにくいです。
- 最大値だけ: 1件の高額を述べるだけで、典型も散らばりも説明しません。
- 合計値と件数だけ: 合計は外れ値で膨らみ、件数だけでは分布の形が分かりません。
箱ひげ図の箱は何か
箱の左端(または下端)が第1四分位数、右端(または上端)が第3四分位数、箱の中の線が中央値です。箱の長さが四分位範囲です。ひげの先や点として描かれた値が、外れ値や最小・最大に対応します。
2級・準1級への橋渡し: 2級では平均・分散と、中央値・四分位範囲を状況で使い分けます。分散や標準偏差も二乗偏差のため外れ値に弱い、という性質が推定・検定の前提理解につながります。準1級では、外れ値に強い要約やロバスト推定を扱います。3級では「典型を見るなら中央値とIQR」を図と結び付けられれば十分です。
したがって、典型的な価格と中央50%の散らばりの組合せは中央値と四分位範囲です。