全体の散布図が右上がりでも、グループに分けると傾きが消えることがあります。全体の相関を、そのまま因果やグループ内の関係だと思い込まない問題です。
全体の傾向と群別の傾向
職種Aは研修2〜5時間・評価58〜62点、職種Bは研修7〜10時間・評価78〜82点にまとまっています。各職種の中では点の上下が小さく、研修時間を増やしても評価はほとんど変わりません。しかし2群を混ぜると、左下のAから右上のBへ点が並び、全体では正の相関に見えます。
このとき効いているのは研修時間そのものより、職種の違いである可能性が高いです。職種が研修時間と評価の両方に関係している、という構造です。
正解の理由
職種の違いが全体の相関へ影響している可能性があります。全体を1つの雲として読む前に、記号(丸と四角)で層別して傾きを確認します。
他の選択肢が誤りである理由
- 研修を増やせば必ず評価が上がる: 観察された関連から介入効果を断定しています。各職種内の傾きは小さいので、特に危険です。
- 職種別に見ても強い正の相関がある: 各職種内の変化は小さく、強い正の相関とは言えません。
- 相関があるので因果関係が証明された: 相関は因果の証明ではありません。実験の無作為割付がない観察データです。
層別に見る習慣
色や形でグループが示されていたら、全体の直線を読む前にグループ内を見ます。全体と層別で結論が変わるのは、3級でも2級でも頻出の落とし穴です。
2級・準1級への橋渡し: 2級では散布図を群別に描く、偏った見方を避ける、回帰の解釈で交絡を疑う、といった読み方が続きます。準1級では、層別や交絡調整、擬似相関をモデルで扱います。シンプソンのパラドックス(全体と層別で関係の向きが変わる)も同じ系統です。3級では「混ぜると見える関係が、分けたら消える」を図で指摘できれば十分です。
したがって、職種の違いが全体の相関へ影響している可能性がある、が最も適切な解釈です。