返ってこない回答そのものは見えません。しかし、名簿に元から載っている年齢のような補助情報を使えば、どの層が欠けているかを診断できます。
非回答と既知属性
郵送調査では、受け取っても答えない人が出ます。非回答がどの層でも同じ割合なら影響は小さいことがありますが、若年層だけ回答率が低いと、残った回答は高齢層に偏ります。本問では年齢が発送名簿から回答前にも分かるので、層別の回答率を計算できます。
$\text{年齢層別回答率} = \dfrac{\text{その層の回答者数}}{\text{その層への発送数}}$
正解の理由
年齢層別の回答率を比べれば、若年層の欠け方が定量的に分かります。追加連絡により若年層の回答不足を小さくできる可能性があります。残る非回答バイアスは別途点検します。非回答者の防災意識そのものは不明でも、既知の属性は「誰が欠けているか」の診断に使えます。
他の選択肢が誤りである理由
- 若年層を母集団から除く: 知りたいのが市内の該当層全体なら、答えにくい層を母集団から消すのは目的の変更です。偏りの解決ではありません。
- 回答済みの高齢層だけで結論を出す: 回答者だけを見ると、若年層の意見が抜けた結論になります。
- 回答率を記載しない: 回答率は調査の質を読む材料です。隠すと偏りの点検ができなくなります。
見えない回答でも、見える属性はある
非回答の内容は分かりません。しかし性別・年齢・地域など名簿上の情報があれば、「どのグループが足りないか」は分かります。3級では、欠損を無視せず、既知情報で偏りを点検する姿勢が問われます。
2級・準1級への橋渡し: 2級では回答率や標本の偏りを、推定結果の信頼性と結び付けます。準1級では欠測を、完全に無作為な欠測か、年齢などの観測変数に依存する欠測か、に分けて考えます。後者なら層別の回答率や補助情報を使った補正が検討対象になります。3級では「層別回答率を見て、足りない層へ追加連絡する」が実務的な第一歩です。
したがって、最も適切な対応は年齢層別の回答率を比べ、若年層へ追加連絡することです。