標本の選び方が良くても、質問文が誘導的だと答えが歪みます。この問題は、測定の段階で生じる偏りを見る問題です。
誘導的な質問とは
「環境に優しい素晴らしい新制度」は、制度の内容を中立に示す前に、良い評価を先に埋め込んでいます。「素晴らしい」に反対しづらくなり、賛成へ回答が流れやすくなります。これを誘導質問と呼びます。調査誤差は抽出だけでなく、質問文・選択肢・順番・聞き方からも生じます。
正解の理由
評価語を除き、制度内容を中立に示して賛否を尋ねるのが改善です。賛成と反対を対称に置くことで、質問そのものが一方の答えを押しにくくなります。
他の選択肢が誤りである理由
- 賛成だけを選択肢にする: 反対を選べなくなり、誘導がさらに強くなります。
- 質問をさらに長くする: 長さ自体は中立性を保証しません。評価語が残れば誘導は残ります。
- 反対回答を集計しない: 都合の悪い答えを捨てる操作で、質問文以前に結果を歪めます。
抽出の偏りと測定の偏り
- 抽出の偏り: 誰が標本に入るかが偏る(電話帳の漏れ、任意参加など)
- 測定の偏り: 入った人への聞き方が偏る(誘導質問、誘導的な選択肢)
どちらも「調べた数字」を母集団の姿からずらします。3級では両方を具体例で識別します。
2級・準1級への橋渡し: 2級のデータ収集では、調査票の作り方が観測値の質を決める、という見方が続きます。準1級では測定誤差や回答バイアスを、推定モデルの前提として意識します。良い推定手法も、測り方が歪んでいれば救えません。3級では「ほめる言葉を外し、内容を中立に示す」ができれば十分です。
したがって、評価語を除き、制度内容を中立に示して賛否を尋ねるのが適切です。