教材の効果を比べるには、開始前の能力や意欲が一方の群に偏らないように分ける必要があります。その基本操作が無作為割付です。
なぜ乱数で分けるのか
希望で分けると、新しい教材に興味がある人が処理群へ集まります。成績上位をすべて新教材群にすると、開始前から能力差があります。どちらも「教材の差」と「人の差」が混ざります。乱数で2群へ割り付けると、測定した能力だけでなく、測っていない性格や家庭環境まで、平均的には両群へ散らばりやすくなります。
正解の理由
開始前の能力差をできるだけ公平にする方法は、乱数を使って2群へ割り付けることです。各参加者が新教材群・従来教材群のどちらに入るかが、希望や成績に依存しません。
他の選択肢が誤りである理由
- 希望した教材へ自由に分ける: 意欲や事前知識が群に偏ります。自己選択と同じ構造です。
- 成績上位者をすべて新教材群にする: 開始前の能力を意図的に偏らせる割付です。
- 新教材群だけ事前テストを行う: 測定の条件まで群間で違い、比較が不公平になります。事前テストをするなら両群に同じ手続きをします。
無作為割付が揃えるもの
無作為割付は、観測した変数だけでなく、まだ測っていない要因についても、群間の系統的な偏りを小さくする助けになります。完全に同じ2群を作る保証ではありませんが、希望や成績で分けるより公平です。
2級・準1級への橋渡し: 2級では、2群の平均差を検定する前提として「ほかの条件が揃っていること」が効いてきます。準1級では、無作為割付のある実験を因果効果の推定の基準とし、割付がない観察データでは交絡が残ると学びます。3級では「乱数で分ける=開始前の差を公平に近づける」と説明できれば十分です。
したがって、乱数を使って2群へ割り付ける方法が適切です。