全数調査と標本調査は、どちらが常に正しいのではなく、目的と制約で使い分けます。全員を把握しなければならない仕事では全数調査が適します。
全数調査が向くとき
全数調査は、母集団の全員(または全件)を調べます。学校の在籍者名簿は、在籍する生徒を漏れなく把握することが目的なので、一部を抽出して推定する対象ではありません。1人欠けても名簿として欠陥になります。
一方、次のような場合は標本調査が現実的です。
- 全国規模で毎月繰り返す(費用・時間・回答負担が大きい)
- 調べると対象が壊れる(電球の寿命の破壊検査)
- 毎日の速報が必要(視聴率)
正解の理由
在籍者名簿を作るため全生徒を確認する場面は、全員を漏れなく把握する必要があるので全数調査が適します。
他の選択肢が誤りである理由
- 全国の成人の平均睡眠時間を毎月調べる: 対象が巨大で反復も多いため、標本調査が現実的です。
- 電球の寿命を破壊検査する: 調べると使えなくなるので、全数を壊すわけにいきません。標本で寿命を推定します。
- 全国の視聴率を毎日調べる: 全世帯のテレビを毎日調べるのは非現実的で、標本調査が使われます。
全数調査でも誤差はゼロとは限らない
全員を対象にしても、記入漏れや回答拒否は起こり得ます。ただし本問の分岐は、「一部から全体を推定してよいか」それとも「全員を把握する必要があるか」です。名簿作成は後者です。
2級・準1級への橋渡し: 2級では、標本調査を前提に母平均・母比率を推定します。全数調査は推定ではなく記述に近い、という位置づけです。準1級では、調査の費用と精度のトレードオフを設計として扱い、破壊検査のように全数調査が原理的にできない場合も整理します。3級では具体例で使い分けられれば十分です。
したがって、全数調査が適しているのは学校の在籍者名簿を作るため全生徒を確認する場面です。