ベイズ更新の簡単な数値
分野: 確率
事前確率を、観測(キーワードあり)で事後確率に更新するベイズの定理の計算です。検査の陽性的中率と同じ構造ですが、有病率1%・感度95%といった医療例とは数値も文脈も異なります。
1. 記号
- $S$:迷惑メール、$P(S)=1/3$、$P(S^c)=2/3$
- $K$:キーワードあり、$P(K|S)=0.60$、$P(K|S^c)=0.10$
求めるのは $P(S|K)$ です。
2. ベイズの定理
$P(S|K)=\dfrac{P(K|S)P(S)}{P(K)}$
$P(K)=P(K|S)P(S)+P(K|S^c)P(S^c)$
3. 代入
$P(K|S)P(S)=0.60\times\dfrac{1}{3}=0.20$
$P(K|S^c)P(S^c)=0.10\times\dfrac{2}{3}=0.066\ldots=\dfrac{1}{15}$
通分すると $0.20=1/5=3/15$、$1/15$ との和は $4/15$。
$P(S|K)=\dfrac{3/15}{4/15}=\dfrac{3}{4}=0.75$
小数第2位までで 0.75 です。
4. 件数イメージ
メール300通なら迷惑100、通常200。キーワードは迷惑60通、通常20通。キーワード80通のうち迷惑は60通で $60/80=0.75$。
5. 解釈
事前確率は約33%でしたが、キーワードという証拠で75%まで上がります。尤度比は $0.60/0.10=6$ で、事前オッズ $1:2$ に掛けると事後オッズ $6:2=3:1$、確率 $3/4$ と一致します。
事後確率は「検査の的中率」であり感度そのものではない
0.60 をそのまま答えるのは $P(K|S)$ と $P(S|K)$ の混同です。必ず事前確率で分母を作ります。