カイ二乗独立性検定の期待度数は、「行と列が独立なら、このマスには何人いるはずか」です。観測の28人をそのまま使うのではなく、周辺度数だけから作ります。
期待度数の公式
行$i$、列$j$の期待度数は
$$E_{ij}=\dfrac{(\text{行}i\text{の計})\times(\text{列}j\text{の計})}{n}$$
です。独立なら、新パッケージの割合 $40/80$ と、改善された割合 $44/80$ の積が同時割合になり、それに $n$ を掛けたものが期待人数です。
Step 1: 使う周辺を確認する
新パッケージの行計は40、改善されたの列計は44、総合計は $n=80$ です。観測セル28は、期待度数の計算には使いません(あとで $(O-E)^2/E$ に使います)。
Step 2: 代入
$$E_{\text{新,改善}}=\dfrac{40\times 44}{80}=\dfrac{1760}{80}=22$$
整数で割り切れるので、丸めは不要です。検算として、同じ行の「改善されない」期待は $40\times 36/80=18$ で、$22+18=40$(行計)。同じ列の旧パッケージ・改善は $40\times 44/80=22$ で、$22+22=44$(列計)。周辺が再現されれば計算は整合しています。
Step 3: 観測との差
観測28に対し期待22なので、新パッケージ側で「改善」が期待より6人多い、という方向です。本問は期待度数そのものを問うているので、答えは22です。カイ二乗統計量にするなら $(28-22)^2/22=36/22\approx 1.64$ がこのセルの寄与です。
期待度数でやってはいけないこと
- 観測セルをそのまま期待とみなす(28を答える)
- 行計だけ、列計だけを期待とみなす(40や44)
- 比率 $28/40$ を人数と混同する
目安として、すべての期待度数が5以上ならカイ二乗近似が使いやすい、という実務ルールがあります。本表は22,18,22,18で問題ありません。
したがって、新パッケージかつ改善されたセルの期待度数は22です。
独立なら同時割合は周辺の積
新パッケージの割合は $40/80=1/2$、改善の割合は $44/80=11/20$ です。独立なら同時割合は $(1/2)\times(11/20)=11/40$、人数は $80\times 11/40=22$ です。公式 $E=(\text{行計}\times\text{列計})/n$ は、この積を一気に書いたものです。観測28は期待22より6人多く、新パッケージ側に改善が偏っている方向です。
4セルとも期待を出すと22,18,22,18となり、行・列の周辺が再現されます。どれか1つでも周辺が合わなければ、代入する計を間違えています。観測の対角28と24を平均して26、のような作り方は独立性の期待ではありません。
2×2のカイ二乗は自由度1で、実質1セル分の情報が独立性を決めます。本問はその1セルの期待を正確に22と出せるか、が目標です。連続修正やフィッシャー正確検定は2級の読み取りでは深入りしません。