指数化は基準時点を100にそろえて、その後の水準を比で見やすくする変換です。成長率は直前の期との比であり、基準年からの累積変化とは別物です。表(原系列)と図(指数)を併用する問題です。
2つの定義
$$\begin{align}\text{指数}_{t} &= \dfrac{y_t}{y_{\text{基準}}}\times 100 \\\text{成長率}_{t} &= \dfrac{y_t-y_{t-1}}{y_{t-1}}\times 100\% = \left(\dfrac{y_t}{y_{t-1}}-1\right)\times 100\%\end{align}$$
Step 1: 2025年の指数(図または表)
基準は2020年の80億円です。2025年は145.2億円なので
$$\dfrac{145.2}{80}\times 100=1.815\times 100=181.5$$
図19の右端のラベル181.5と一致します。81.5は「100を足し忘れた増分」、145.2は原系列を指数と誤読した値、151.25は2024年の指数です。
Step 2: 2024→2025の成長率
直前は2024年の121です。
$$\dfrac{145.2}{121}-1=1.20-1=0.20=20\%$$
指数でも同じで、$181.5/151.25=1.20$ です。指数化しても隣接比(成長率)は変わりません。2020年からの累積は $81.5\%$ 増ですが、これは「2024→2025の成長率」ではありません。
Step 3: 選択肢の検討
- 181.5と20%: 正しいです。図の2025年点と、表の隣接比です。
- 81.5と20%: 指数から100を引いた増分を指数と誤っています。
- 181.5と81.5%: 指数は正しいが、成長率に基準年からの累積を入れてしまっています。
- 145.2と20%: 原系列の億円を指数と取り違えています。
- 151.25と10%: 2024年の指数と、2023→2024の成長率(110→121で10%)です。年を1期ずらしています。
指数と成長率を同時に使うとき
- 基準年を確認する(何年=100か)
- 水準の比較は指数、直近期の変化は成長率
- 基準からの累積変化率(指数−100)を、直近成長率と足し替えない
したがって、指数181.5、成長率20%の組合せが正しいです。
同じ比でも聞き方が違う
2020→2025の累積は $145.2/80=1.815$ で+81.5%、指数は181.5です。「指数181.5」と「81.5%増」は同じ比の別表現で、100を含むか否かが違います。2024→2025は $145.2/121=1.20$ で+20%です。2023年110から2025年145.2は約32%増で、これも直近1年ではありません。問題が「2024年から2025年」と期間を切っているので、分母は121に固定します。
図の点ラベルは指数なので、2025年を145.2と読むのは表の単位(億円)を図に持ち込む誤りです。2024年の点151.25と10%は、一つ前の年の話です。指数の隣接比と原系列の隣接比が一致することを、181.5/151.25=1.20 で検算できます。
基準年を途中で変えると指数の数値はすべて変わりますが、隣接成長率は不変です。発表資料で基準改定が起きても、YoYは比較可能、という使い分けが2級の指数の急所です。