AIソリューションスペシャリスト(ベンダー/代理店)

機能軸: ビジネス支援 業界軸: 横断(複数業界) 提供モデル: プロダクトベンダー・代理店

AI/分析ツールの提案・導入で顧客価値を最大化する

AI/分析プロダクトを武器に、提案からPoC、導入後の活用拡大まで走り切るのがAIソリューションスペシャリスト。商談現場で何を話し、どこまで伴走するのかを等身大で描きました。

役割概要

AIソリューションスペシャリストは、顧客の業務課題を聞き出し、自社のAI/分析プロダクトで成果を出すシナリオを組み立てる役割です。プリセールス段階から技術的な信頼を獲得し、PoCで価値を証明し、導入後に定着するまで並走します。

提案営業だけでなく、評価指標づくり、データ連携設計、利用部門への教育、効果検証をリードし、アップセル・横展開に繋げることがミッションです。

主な業務領域

プリセールスとスコーピング

  • 課題ヒアリング: 業務フローとKPI、既存ツールの痛点を洗い出し、成功指標を合意する。
  • デモ・提案: 製品デモやサンドボックスで実データを動かし、ROI試算と導入ロードマップを提示。
  • 契約スコープ整理: PoC範囲、必要なデータ、リードタイム、体制を明文化し、営業と連携して見積へ反映。

PoC推進と導入設計

  • PoC実装: 評価指標・比較対象・判断基準を決め、PoC環境で迅速に検証する。
  • データ連携・権限設計: 顧客システムとのAPI連携やセキュリティルールを整備し、本番導入へつなぐ。
  • トレーニング: 利用部門向けにハンズオンを実施し、Use Caseベースの操作方法を浸透させる。

定着支援と拡張

  • 活用レビュー: 月次/四半期レビューで導入効果を数字で示し、改善提案や新ユースケースを仕込む。
  • 契約更新・アップセル: 利用実績をベースに他部門展開や上位プランを提案し、サブスク継続率を高める。
  • ロードマップ連携: 顧客の要望をプロダクトチームへフィードバックし、機能改善を後押しする。

代表的なプロジェクト

株式会社FRONTEO 東京海上日動火災保険への「お客さまの声」分析AI導入

自然言語AI「KIBIT」を導入し、膨大な「お客さまの声」の中から「本当に読むべき重要な意見」を抽出する仕組みを構築。顧客本位の業務運営を実現するため、人の目による確認とAIの効率性を組み合わせた分析プロセスを設計した。

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NEC セブン-イレブン・ジャパンへの生成AI活用ソリューション提供

NECが開発した生成AI「cotomi」を活用し、商品開発やマーケティング施策の立案を支援。例えば、木村屋總本店との協業では「恋AIパン」を開発するなど、顧客の課題に合わせたAIソリューションを提案・導入している。

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株式会社日立製作所 京王電鉄へのAI駅係員サービス実証実験支援

日立の対話型AI技術を活用し、駅における顧客からの問い合わせに自動で応対する「AI駅係員サービス」の実証実験を支援。ソリューションの提案から導入、効果検証までを担い、顧客の業務効率化とサービス向上に貢献する。

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スキル&マインドの3層マップ

テクニカル
  • プロダクト知識: 自社AIの機能・制約・ロードマップを深く理解し、競合比較にも対応できる。
  • データ連携: API/ETL基盤やセキュリティ要件(認証・権限)を説明し、技術的な不安を解消。
  • PoC実装スキル: Pythonやノーコードツールでサンプルを作り、短期間で価値を見せる。
ビジネス理解
  • 提案力: ROI試算、業務効率の改善幅、リスクヘッジを数字で語れる。
  • 契約・SLA: サブスクリプションやサクセスメトリクスの定義、サポート体制を顧客に咀嚼して伝える。
  • 業界知識: 流通・金融・製造など主要業界の課題とユースケースを把握し、最適な導入シナリオへ落とす。
コラボレーション
  • 営業連携: アカウントプランや予算情報を共有し、商談を前に進める。
  • CS/プロダクト連携: 既存顧客の声をプロダクト改善やカスタマーサクセス施策へつなげる。
  • パートナー協業: SIer・代理店・外部データ提供者との連携体制を設計し、導入を円滑にする。

キャリアの伸び方

スペシャリストパス: 業界別のソリューションエキスパートとして大型案件を支援し、提案書テンプレートや事例作りをリード。

マネジメントパス: プリセールス/ソリューション組織のマネジャーとなり、案件配分・育成・収支管理を担う。

事業づくりパス: プロダクトマネジャーやカスタマーサクセスマネジャーへ転身し、自社サービスの価値向上を主導する道もあります。

キャリアに関するあれこれ

Q: 営業とソリューションスペシャリストの違いは?
営業は契約獲得に責任を持ち、ソリューションは技術的な信頼構築と成功事例づくりに責任を持ちます。商談初期から技術的な着地点を示すことで、営業のクロージングを後押しします。
Q: 技術とビジネス、どちらを優先して鍛えるべき?
まずは自社プロダクトを自分で触ってPoCを回せる技術力が必須。その上で、ROI試算や業務改善のストーリーが語れるようビジネスリテラシーを身につけると説得力が高まります。
Q: 成功の指標は何ですか?
受注額だけでなく、導入後の活用率・継続率・追加契約率が評価されます。顧客の成功体験を増やすことで、リファレンス案件やアップセルへとつながります。