アナリティクス実装コンサルタント

機能軸: 分析戦略・意思決定支援 業界軸: 横断(複数業界) 提供モデル: コンサル・受託

顧客環境に合わせ分析基盤を形にする

顧客現場に入り込み、データ基盤を短期間で立ち上げつつ“使える状態”まで定着させるのがアナリティクス実装コンサル。要件すり合わせから先行リリース、教育までのリアルな動きをまとめました。

役割概要

アナリティクス実装コンサルタントは、顧客の業務要件を聞き出し、データ基盤・BI・ダッシュボードを組み上げ、現場が自走できるところまで伴走する役目です。短期の常駐やスプリント形式で成果物を出し、営業・経理・現場オペレーションなど多様な部門の悩みをデータで解決します。

導入後の「誰が運用するのか」「不具合が起きたらどうするのか」まで決め切るのがミッション。プロトタイプを見せながら期待値を調整し、PoCで止まらない定着をゴールにします。

主な業務領域

スコーピングと設計

  • 現場ヒアリング: KPI・業務フロー・既存レポートを棚卸しし、痛点とデータ資産を図解にまとめる。
  • アーキテクチャ設計: DWH・ETL・BIの構成やセキュリティ要件を整理し、内製/外部ツールの使い分けを提案。
  • プロジェクト計画: 成果物の優先順位とマイルストーンを合意し、契約(SOW)に落とし込む。

構築とローンチ

  • データパイプライン実装: Fivetran/dbt/Airflowなどを組み合わせ、テストと監視までセットで構築。
  • ダッシュボード開発: Looker/Power BI/Tableauで役職別のビューを作成し、早期にハンズオンレビュー。
  • 受入テスト: UAT用シナリオを顧客と共に作成し、細かな不具合や定義のズレを潰す。

定着と運用移管

  • トレーニング: エンドユーザー向け講座・動画・マニュアルを整備し、社内チャンピオンを育成。
  • 運用設計: アクセス権限、問い合わせ窓口、変更フローを決め、Runbookを引き継ぐ。
  • 拡張提案: 次フェーズの予測モデルや自動化テーマを洗い出し、ロードマップを提示。

代表的なプロジェクト

PwCコンサルティング合同会社 ヤンマーエネルギーシステムの熟練技能者判断のAI化支援

発電設備の運転・保守における熟練技能者の判断プロセスをデータ化・分析し、AIモデルとして実装するプロジェクトを支援。技術継承という課題を解決し、遠隔監視や予兆保全の高度化に貢献した。

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株式会社メディックス GA4導入・活用支援コンサルティング

顧客企業のWebサイトにおけるGA4(Google Analytics 4)の導入設計から実装、データ分析、改善施策の立案までを支援。CVRの高いコンテンツの導線を特定するなど、サイト上の課題を可視化し、具体的な改善に繋げる。

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アユダンテ株式会社 Google Analyticsを活用したデータ基盤構築支援

顧客企業のビジネス目標に基づき、必要なデータをリアルタイムに取得・分析するための計測設計と実装を支援。「新鮮で豊富な食材(データ)」を提供し続ける仕組みを構築することで、満足度の高い分析と意思決定を可能にする。

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スキル&マインドの3層マップ

テクニカル
  • データスタック理解: Snowflake/BigQuery/Redshift、ETLツール、BIツールの長所短所を比較できる。
  • 統合・セキュリティ: SSO、権限設計、監査ログなど企業要件を満たす設定を提案。
  • 自動化スクリプト: Python/SQL/dbtでパイプラインや検証をコード化し、再現性を確保。
ビジネス理解
  • スコープ&契約力: SOW/見積り/体制表に落とし込み、期待値とコストを調整。
  • 業務知識: 財務・営業・マーケなどドメインの指標構造を短期間で把握し仮説を提案。
  • チェンジマネジメント: 定着フェーズの阻害要因を洗い出し、段階的な導入計画を描く。
コラボレーション
  • 顧客との信頼構築: 週次レビューで進捗・課題・次アクションを明確化し、サプライズを防ぐ。
  • ベンダー調整: SaaS・SIパートナー・社内エンジニアとの調整役を引き受ける。
  • ナレッジ共有: ドキュメント・録画・FAQを残し、内製チームが自走できるようにする。

キャリアの伸び方

スペシャリストパス: データアーキテクト/ソリューションエンジニアとして、高度な基盤設計や高度分析の導入案件をリード。

マネジメントパス: デリバリーマネジャーやEngagement Managerとして複数案件を統括し、収支管理・育成を担う。

事業会社パス: 内製データチームへ転身し、導入ノウハウを活かして自社のデータ活用をドライブする。

キャリアに関するあれこれ

Q: 技術とプロジェクト管理、どちらを重視すべき?
どちらも必要ですが、顧客との期待値調整ができるPM視点が先に求められます。その上で、自分でプロトタイプを触れる技術力があると説得力が段違いです。
Q: トラブルが起きたときはどう対応しますか?
影響範囲を即座に洗い出し、暫定対応・恒久対応・責任分担を明文化して共有します。SLAやRunbookを最初から準備しておくと、緊急対応がスムーズです。
Q: KPIは何で評価されますか?
納品物の品質だけでなく、導入後の活用率(ログイン数、定例での活用有無)や追加フェーズの受注につながったかなど、定着度合いが評価されます。