BIエンジニア / データアナリスト

機能軸: 分析戦略・意思決定支援 業界軸: 横断(複数業界) 提供モデル: 事業会社内製

現場の意思決定を支えるデータ翻訳者

売上会議で数字の裏付けを求められた瞬間、すぐに根拠を示せるように整えておくのがBIアナリスト。現場の混乱をリアルに減らす仕事の流れをまとめました。

役割概要

BIアナリストは、散らばった営業・CS・マーケ・プロダクトのデータをつなぎ合わせ、誰でも同じ数字を見られるようにする“共通インフラ”の整備係です。ログや業務システムを統合し、日々の会議で迷わず意思決定できる環境を作ります。

ダッシュボードを作って終わりではなく、数字が動いた時に現場へ理由を伝え、次の一手を考えるところまで伴走。指標定義、データ品質、レポート運用、教育までをワンセットで担うのがミッションです。

主な業務領域

指標設計と可視化基盤

  • 共通KPI定義: 売上・リード・サポート指標を分解し、部署間で意味が揃うよう命名規則と粒度を整理。
  • ダッシュボード構築: Looker/Tableau/Power BIで役職ごとに見たいビューを用意し、リロードタイミングや権限も設計。
  • データモデリング: dbtやSQLビューでスター/スノーフレークモデルを組み、再利用しやすいマートを整備。

運用と品質コントロール

  • ETL・スケジューラ管理: CRM・会計・プロダクトログをAirflow等で取り込み、落ちたら即Slackで通知。
  • データテスト: null・桁ズレ・重複などのルールをGreat ExpectationsやSQLテストで自動化。
  • レポート自動化: 日次メールやGoogleスプレッドシートをApps Script/Pythonで配信し、手作業を撲滅。

現場伴走と教育

  • ビジネスレビュー: 週次会議で数字の変化を噛み砕いて説明し、次の施策とオーナーを決める。
  • トレーニング: 非エンジニア向けにBIツール講座やSQL勉強会を開き、データリテラシーを底上げ。
  • アドホック分析: キャンペーン効果や顧客離脱の真因調査を短時間でまとめ、ステークホルダーへ即共有。

代表的なプロジェクト

キッコーマン株式会社 Tableauを活用したグローバル経営データの可視化

世界各地の事業会社の販売データやWebサイトのアクセスログなどをTableauで統合・可視化。経営層や各担当者がリアルタイムで業績を把握し、データに基づいた迅速な意思決定を行えるダッシュボードを構築した。

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株式会社三菱UFJ銀行 全行的なTableau活用による業務負荷削減

導入後4年でTableauユーザーを1万人に拡大し、年間8万時間の業務負荷削減を達成。各部門で必要とされる経営数値や業務指標をダッシュボード化し、レポート作成業務の自動化とデータドリブンな文化の醸成を推進した。

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株式会社クレディセゾン データ可視化による分析作業の効率化

Tableauを用いてデータ可視化・分析作業のプロセスを刷新し、年間2,000時間の工数削減を実現。営業実績や顧客動向などのデータを直感的に把握できる環境を整え、分析の深化とスピード向上を両立させた。

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スキル&マインドの3層マップ

テクニカル
  • SQL×BI: BigQueryやSnowflakeで複雑なウィンドウ関数を扱い、Looker/Tableauで再現性のある可視化を作る。
  • データモデリング: Kimball手法やdbtで事業共通のマートを整備し、スキーマ変更にも強くする。
  • 自動化スクリプト: Python/Apps Scriptでレポート配信や前処理を自動化し、手動作業を減らす。
ビジネス理解
  • 業務プロセス理解: 営業フロー、CS対応、マーケ施策の流れを理解し、指標に落とし込む。
  • ストーリーテリング: 数字の変動要因を言語化し、会議で議論を整理する力。
  • ガバナンス: 指標定義書やアクセス権限を整備し、データの混乱を防ぐ。
コラボレーション
  • 伴走コミュニケーション: 部門ヒアリングで痛点を聞き出し、ダッシュボードへ反映する。
  • トレーニング: 社内ワークショップやFAQ整備でセルフサービス分析を根付かせる。
  • サポート体制: 問い合わせチャンネルとSLAを定め、運用負荷をコントロールする。

キャリアの伸び方

スペシャリストパス: アナリティクスエンジニアやBIアーキテクトとして、データモデルとBIプラットフォーム全体を設計する。

マネジメントパス: アナリティクスマネジャーとして組織のダッシュボード戦略・人材育成・運用プロセスを統括。

越境パス: セールスオペレーション、マーケオペレーション、プロダクトアナリストなどドメイン側へ寄り添うポジションに広がるケースも多いです。

キャリアに関するあれこれ

Q: BIツールはどれから学べばいい?
Looker、Tableau、Power BIのいずれか一つで良いので、“データモデルから可視化まで自分で回す”経験を作るのが近道です。その後、社内で使われているツールへ横展開しましょう。
Q: SQLはどのレベルが必要?
Window関数・CTE・再帰クエリを使いこなし、クエリチューニングでコストと速度を両立できるレベルが望ましいです。
Q: 業務部門との距離感は?
週次のビジネスレビューに必ず参加し、数字の意味をその場で説明するのがおすすめです。対話の頻度が上がるほど「この数字なら信頼できる」と思ってもらえます。